【2905】妄想を持っていた母は、精神科で治療を受けた後、良い方向に進んでいます(【2290】のその後)

Q: 【2290】母が被害妄想のため受診したが、「そんなことで来られてもねえ」と医師に笑われた(2012.8.5)
【2371】退院後の母が、まだ妄想を持っている(2013.3.5.)
で回答いただいた30代女性です。
ご無沙汰しております。

その後の母の経過につきまして、良い方向ですのでご報告させて頂きます。
【2371】の頃にもかなり快方に向かっておりましたが、まだ一人で外出は難しい状態でした。
自身の存在意義を問うことが多かったですし、私の仕事も忙しくなってきたということもあり、葛藤しながらも孫(私の子ども)の面倒を積極的にお願いするようにしました。
すると、ほとんど妄想が出ることもなくなり、一人での外出も可能となりました。
母曰く、孫のペースに付き合わされると大変で、妄想する暇がないそうです。
孫が近くにいないときでも、いつ来るか分からないからしゃんとするそうで、気持ちが晴れ晴れしていると話しておりました。

閉鎖病棟で悶々とした日々を思いますと、本当に今の状態は奇跡のようです。
子どもたちは母が大好きで、私も、母の笑顔、父の笑顔、みんなの笑顔を見ることができて本当に幸せです。ありがとうございます。

林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。お母様は順調に回復しておられるご様子、何よりと思います。

閉鎖病棟で悶々とした日々を思いますと、本当に今の状態は奇跡のようです。

決して奇跡ではありません。むしろ普通のことです。
激しい精神症状で閉鎖病棟に入院された場合、ご家族は強い不安を抱かれることがしばしばありますが、大部分は改善に向かうものです。この【2905】のような実例は、多くの読者の方にとって貴重な情報になると思います。

但し、治療を中断すれば再発することは、常に忘れないでください。

母曰く、孫のペースに付き合わされると大変で、妄想する暇がないそうです。
孫が近くにいないときでも、いつ来るか分からないからしゃんとするそうで、気持ちが晴れ晴れしていると話しておりました。

このようなごく自然の状態にまでの回復は、ご家族のご尽力に、薬の力がプラスされてはじめて得られたものです。良い状態が長く続くと、つい「もう薬はいらないのではないか」と思い勝ちで、そのように考えて薬を中断した結果の数々の悲劇は、精神科Q&Aの多数の実例の通りです。

お母様の病状がさらに安定・改善されることを願っております。また折をみて経過をご報告いただければ嬉しく思います。

(2015.2.5.)

05. 2月 2015 by Hayashi
カテゴリー: 妄想性障害, 精神科Q&A, 統合失調症