【2828】 おかしな言動が増えた友人に、もう関わりたくない
Q: 私と同年代の友人(20代女性)は病名は分からないのですが、精神病の既往があり、10代の頃から度々精神科へ入院することがありました。
彼女は気分や感情の波が激しく私は躁うつ病ではないかと思っていました。躁うつ気味で被害妄想に近い思い込みはあったものの幻聴や妄想はなかったので統合失調症ではなかったと思います。(統合失調症の方と接する機会があるので素人判断ではありますが違うと感じました)
そういった面があったものの、周囲に馴染もうと周りに気を配り、社会復帰・自立にむけて努力していました。私自身彼女の明るさや気配りに何度も支えられました。
しかし昨年からシェアハウスに住むようになりおかしな言動が増えてきました。
(1)「周りの人間が私の噂をしている。動画に撮られている。ネットにも撒かれた」
(2)「寝ている時に誰かにヤられた」
(3)「腕に注射の跡がある。誰かが忍び込んで寝てる間に打った」
(4)「みんな信じてくれない、思い込みと言われる」
(5)(彼女がハウスに住むことを知る前)電話をかけると唐突に「なんであたしがここ(ハウス)にいること知ってるの?なんで分かったの?」と私が知るはずのないことを知っている前提で話す。理由は何となくだそうです。
(6)「親に体を売れと言われる」
得体の知れない所に住んでいるので事実は小説より奇なり…ということも万が一あるかもしれません。
彼女の喋りは鬱状態のボソボソとしたもので曖昧にしか話してくれず、話の全貌は分かりません。
そこから離れろと言ってもお前は批判ばかりする! 信用できんのかと聞く耳を持ってくれません。
この話以前にも上記のようなつじつまの合わない言動があったので正直精神病の症状としか思えません。
しかしネットで彼女の陰口と思わしきものがあるのも事実です。
何年も付き合ってきて初めてこんなことがあったので戸惑っています。
精神科へいけなんてもってのほか。関わりたくなくなってきます。
林: (1)から(6)に書かれているこの友人の方の症状は、統合失調症に一致するものです。
友人(20代女性)は病名は分からないのですが、精神病の既往があり、10代の頃から度々精神科へ入院することがありました。
10代で精神科に複数回入院を要する病気としては、第一に挙げられるのが統合失調症です。もちろんこの経歴だけで統合失調症であるということは出来ませんが。
彼女は気分や感情の波が激しく私は躁うつ病ではないかと思っていました。
気分や感情の波が激しい病気はたくさんありますので、これだけでは何もわかりません。また、躁うつ病の症状は、「気分や感情の波が激しい」という描写にはあてはまらないことのほうが多いので、むしろ躁うつ病の可能性は低いとこの時点で言えます。
躁鬱気味で被害妄想に近い思い込みはあったものの幻聴や妄想はなかったので統合失調症ではなかったと思います。
幻聴や妄想がこの友人の方にあったかなかったか、それがあなたにわかるはずがありません。
(統合失調症の方と接する機会があるので素人判断ではありますが違うと感じました)
統合失調症の症状は様々ですから、一人や二人の統合失調症の方と接した機会を根拠に判断するのは誤りです。統合失調症という事実の8ページ(序)に「もし読者に統合失調症の知り合いがいらしたとして、その一人だけをご覧になって、統合失調症のイメージを固定しないよう、ぜひお願いしたいと思います。」とお書きした通りです。
しかしネットで彼女の陰口と思わしきものがあるのも事実です。
「陰口を言われている」は、統合失調症にしばしば見られる被害妄想(または幻聴)ですが、このように実際にある程度は陰口があることも時にあります。統合失調症を発症し、適切に治療を受けないままの状態にあるとき、周囲からは奇妙な人であるように見えたり、時には症状としての攻撃性のために嫌われたりすることがありますので、結果として実際に陰口を言われるということになります。したがって、「ネットで彼女の陰口と思わしきものがあるのも事実」ということをもって、この方に被害妄想があることを否定することはできません。
以上より、この友人の方は統合失調症にほぼ間違いないと言えます。
関わりたくなくなってきます。
それは友人としてどうなのか。ご自分でよくお考えください。
(2014.11.5.)