【2411】80 歳代の祖母が家族に盗みの言いがかりをつける

Q: 私は、両親と80歳代の祖父母と暮らしています。父は単身赴任で、月に数回、週末に帰ってくるという状況です。今回の相談は、同居している祖母の、母に対する被害妄想的ないいがかりについてです。母にとって祖母は義母です。その祖母は、母に対してかなり強く被害的妄想をします。何かが無くなればすべて母が盗った、盗んだと言いがかりをつけてきます。「自分の部屋のタンスからスカーフがなくなった、どこにやった?」など、盗まれるものは様々です。母が否定をすると、「うそばっかり言いやがって。うそつき。根性が悪い」など、罵倒を浴びせます。家族としてもその祖母の言動に困っています。周りがいくら「そんなことはない」といっても受け入れず、むしろ母を擁護すれば、お前もかぐらいの勢いで、罵倒してきます。まったく盗られたことに根拠はなく、こちらが指摘をすると、母が盗ったんだから根拠もへったくれもないと、こちらの話はまったく受け付けません。「警察に指紋をとってもらえばすぐに分かる、部屋中、母の指紋でびっしりだ」と言うので、警察に相談しましたが、家族間であること、祖母が年配であることを理由に、断られました。ここに置いておいたものがなくなった、盗られたということもあるので、認知症の可能性もあるのかと思いましたが、その盗まれたと騒ぐ以外は普通に生活を送っています。 母が嫁いできたころから、母を泥棒扱いすることはあったようで、私が小さい時からずっとその祖母の状況は見てきましたが、ここ数年、かなり増えてきました。私たちもどうしていいか分からず、祖母から被害届を出してもらい、捜査をしてもらえば、祖母も考えが変わるかと思い、祖母に一緒に被害届を出しに行くよう言いましたが、「私は行かない、なんで行かなきゃいけないのか、泥棒といわれてる人が行けばいい」などと訳のわからない理由をつけ、行こうとしません。母だけがターゲットにされ、こちらの言い分もいっさい受け入れず、罵倒し続ける祖母を見ていると、病的な感じさえします。このような状況で精神病である可能性はあるのでしょうか。

 

林: この妄想が、

ここ数年、かなり増えてきました

という記載はあるものの、いつから始まったのかが不明ですが、ご高齢になられてからのものだとすると、認知症に伴う妄想の可能性がもっとも高いといえます。「もの盗られ妄想」と呼ばれる、非常によくある形の妄想です。おそらくお祖母様はアルツハイマー病でしょう。

祖母から被害届を出してもらい、捜査をしてもらえば、祖母も考えが変わるかと思い、

それは全く無意味です。仮に捜査してもらい、盗られていないという結果が出ても、妄想を持っている人はそんなことでは決して納得しません。

精神科で治療を受けさせてあげることが、お祖母様にとってもご家族にとっても最善です。

 

(2013.7.5.)

05. 7月 2013 by Hayashi
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