【2630】統合失調症と診断されて 6 年目ですが、自分の嘘に悩んでいます
Q: 20代女性です。統合失調症の診断で現在の主治医にお世話になり始めてから6年、症状も落ち着いて薬もやめることが出来ました。心から感謝し、幸せなのですが、どうしても嘘をついてしまいます。「薬を飲んでいるのだからこの症状は緩和したと言うべきだ」「この人が聞きたいのはこういった意見だろう」という認識から、主治医にも家族友人にも嘘を繰り返し、もう何が本当で何が嘘だったのかわからなくなっています。どういう症状が健康なのか曖昧になっているので、きっと主治医も不審がっているだろうに、いつも励ましてくださいます。 初診時から解離という症状が出ていたようですが、半年以上前の記憶がほとんど無く、自分が何を訴えていたのかもわかりません。些細な悪口を思い出して復讐心に駆られ、徹夜して個人情報を特定しようとしてみたり、復讐方法を考え続けてしまいます。その反面、自分が憎くてたまらず死ぬ勇気もないことを悔やみます。その記憶すら信頼できません。 どこまでが妄想で何が幻聴なのかもわからず、唯一はっきりしているのは幼少期のごく軽い性的虐待の記憶なのですが、証拠も何もないので結局私の妄想かもしれません。そう思うと主治医にもカウンセラーにも打ち明けることが出来ず、統合失調症と診断された事実さえ私の嘘によるものなのか、主治医は私の嘘を見抜いているのか否か、と悩んでいます。こうして書いている内容も、後から嘘だと気付くのかもしれません。 現在はひとりで外出することが出来ません。1週間に1度買い物に出るだけで、誰とも連絡をとらなくなりました。連絡をとったところで、前回話した嘘と話が食い違うかもしれないし、そもそも嘘ばかりの私と積極的に会いたい人はいないのです。ずっとベッドで人を恨んだり自分を嫌ったりしています。私は今とても幸せなのですが、こういう時に、普通にするにはどのように振る舞えばいいのか教えて下さい。 長々と申し訳ありません、ありがとうございました。
林:
統合失調症と診断されて 6 年目
とのことですが、その診断が正しいかどうかわかりません。
6年、症状も落ち着いて薬もやめることが出来ました。
とのことですが、そもそもどういう症状であったかの記載がなく、また、20歳前後で統合失調症を発症し、6年以内に薬をすべてやめることができ、それでも安定が続いているというのは、あり得ないことではないですが、統合失調症としては考えにくいことです。
そして、多数の嘘、解離の症状、虐待の曖昧な記憶、他の記憶障害、などを総合しますと、もともと実は統合失調症ではなく、解離性障害であった可能性のほうが高いように思えます。
こういう時に、普通にするにはどのように振る舞えばいいのか教えて下さい。
そういう問題ではなく、診断を見直すことが今すべきことです。あるいは主治医の先生は統合失調症とはみていないのかもしれません。さらには、「統合失調症と診断された」という記載自体が虚言である可能性も考慮しなければなりませんが、そこまではメールから判断するのは困難ですし、「メールの内容は事実と仮定したうえで回答する」という精神科Q&Aの原則にも抵触することになりますので、これ以上は言及しないこととします。
(2014.4.5.)