【2565】同僚の信じ難い虚言で酷い目にあった
Q: 私は20代女性です。私の後輩Aなのですが、ある老舗のご令嬢だそうで、毎食犬にウナギを食べさせている、父の誕生日には毎年東京のホテルで芸能人をたくさん呼んで何日もかけてパーティーをする、父はやくざと繋がっており、難関国家資格を持っている、毎日タクシーで帰っているなどと言っていました。また、バレンタインデーには「父からです」と言い、ビロードで出来た高級店のチョコレート箱を持ってきました。 私が騙され易いのもあるかもしれませんが、違和感に気付いたのは、母にその後輩のことを話したところ、嘘だろうと言われたことがきっかけでした。けれど、本当に細部まで出来た話で、その子の話口調を聞いていても嘘とは思えず、その時点でもまだ少しは信じていました。ある日、その子が皆のいる前でぼろぼろ泣き始め、「なんでもないんです」と言いながらトイレに行きました。そのあと、その子から、別の後輩Bについて「Bさんに酷い扱いを受けている、助けて」と泣きながら相談され、私はBさんを注意しました。その後も、「Bさんが私さんのことを悪く言っている、こんなことをしている」などとAが言ってきたのと、Bさんからの態度も急速に悪化したため、もともと性格の合わなかったBさんと私の間の亀裂は決定的になりました。 その後、私の財布が無くなりました。状況から言って、職場で無くなったとしか考えられないものでした。Aに相談したところ、「Bさんが私さんの鞄の近くでごそごそしていた」と言っていました。浅慮でしたが、私はBさんが盗ったのかな…と言いました。 また、Aはお嬢様にしてはとても口が悪く、お客さまのことを「あのおばはん」などと言い、笑い方もとても品の無いものでした。「私の父に言いつければ家が更地になる」などと冗談にしても言うAが耐えきれず、私の親戚に警察がいることを話すと、皆の前で故意に無視されるようになりました。また、Aの泣きつきを聞きさえしなければBさんもそんなには悪い人には思えなかったので、私からもだんだんとAを遠ざけました。 するとAが先輩Cさんに、「私は何も悪いことをしていないのに、私さんがAを無視する!」と泣きながら泣きつきました。皆の前でです。それを主任が見つけ、私と主任とAでの話合いになりました。その話し合いでAがボロを出し、なんと私にはBさんの悪口、Bさんには私の悪口を言い、お互いを喧嘩させていたことが分かりました。私とBの間に入り、私には「Bさんには言っておきましたからね」Bさんには「私さんには言っておきましたからね」職場の皆には「二人に挟まれてつらい」と言っていたんです。また、私が「私の財布、Bさんが盗ったのかな」といったこともBさんに言っていたそうです。涙ぐみながら切々と語っていたAですが、矛盾点を指摘されると、ひきつったような恐ろしい顔をしていました。 それがばれでも尚、Aは真剣な顔で泣きながら「私にも悪いところがありましたけど、私さんとBさんに挟まれてつらかったAの気持も考えてください!!!」と言っていました。そのAの不満も、Aが原因です。けれど、Aはまったく悪いことだという感じではありませんでした。もともとそりが合わなかったBさんと私ですけれど、職場ですし、それまでは形式的にでも仲良くしていました。 その件で疑惑が決定的になり、インターネットでAの名前を検索してみたところ、新聞記事が出てきました。住所、名前、年齢も同じで、私の財布も…と考えてしまうような内容でした。また、その子の地域は、あまり裕福ではない人が住むところだということでした。 もろもろのことが限界に達し、私は経緯を先輩Dさんに相談しました。仕事のみするように、との助言でしたので、もうAは放っておいて、仕事をしました。Bさんとも話すようになったのですが、孤立するようになったAが、主任に「私さんが、Aに前科があると先輩Dに言ったのをこの耳で聞いた!!!住所も氏名も年齢も同じの別人なのに!!!!!」と泣きながら言いました。新聞記事なんて警察発表なのでしょうし、町内まで同じの年齢も住所も同じの人がいれば、発表の時に考えると思います。(それに、Aはかなり珍しい、日本で一人なのではないかという名前です)それに、私は前科のことはD先輩には言っていません。面倒を嫌う主任は、とにかく私に謝るように言いました。Aは、職場のみなのことを言いつけたにも関わらず被害者のような面持ちで皆に接し、「私ではない」「法的な手段も考えている」と言っていました。真剣な顔をしながら、涙ぐみながら。その場だけみると信じてしまいそうでした。 色々あり。その子はクビになったのですが、今だに私はどうすればよかったのか、何かできることがあったのではないかと悩んでいます。Bさんともっと連携をとればよかったのか、でもAは、Bさんに言われたら酷い目にあわされると泣きついてきていました。ここまでではなくても、こんな風な人に相談されることがままあるのにも思い当りました。Aの相談に乗った私は何だったのでしょうか。長文、失礼致しました。
林: Aさんには病的な虚言があります。
Aの相談に乗った私は何だったのでしょうか。
大変な目にあわれたことと、お察し申し上げます。しかし「私は何だったのでしょうか」と聞かれてもお答えのしようがありません。ただ、このように病的な虚言をする人は、世の中に意外なほどたくさん存在することを、今後お忘れにならないようにすべきでしょう。この程度の被害ですんでよかった・・・という言い方は失礼にあたるとは思いますが、もっと悲惨な被害を受けた方もたくさんいらっしゃいますので、この程度の被害ですんでよかったとお考えになることだと思います。
(2014.3.5.)