【4841】妻が幻聴であることを認めない
Q: 妻も私も50代です。妻がここのところ幻聴に悩まされております。家の前の廊下(拙宅は集合住宅です)で妻の事を悪しざまに言う話し声が聞こえ、気持ちが悪いと訴えます。
幻聴だと私が言うと、一度は幻聴だと認めるのですが、すぐに、おかしい、何故自分の悪口を言われるのか納得がいかない、やっぱり気持ちが悪い、と幻聴であるということが理解できないようです。
十代後半にも同様の事があったようですが、話したがりません。5年前にも幻聴と妄想(監視されている等)があり、病院でジプレキサという薬を処方していただきました。一月ほどで症状はなくなり、服薬も通院もやめました。
現在の幻聴は本人によると1年くらい前からだそうです。日常生活に支障はまだありませんが、病気であることを認めることができないようです。
病院に行くのではなく、カウンセリングなら受けてもいいとのことで、検討中です。
夫婦二人暮らしで、会話もあまりなく、お互いに気ままに生活していると思っていたのですが、妻は自分を透明人間のように感じていると、先日話してくれました。以来コミュニケーションを積極的に取るよう心がけております。
アドバイスいただければ幸いです。
林: 奥様は統合失調症だと思います。十代後半にも同様の事があったとのこと、そのときが初発で、その後、少なくとも1回は再発し(5年前)、薬物療法で改善したものの、治療の中断によってまた再発したということだと思います。統合失調症として、ひとつの典型的な経過です。
病院に行くのではなく、カウンセリングなら受けてもいいとのことで
まずはそのご意思を尊重し、カウンセリングを開始するというのが現実的には最善でしょう。ただしどこかの時点で服薬を再開しなければ症状は悪化していくでしょう。振り返って、5年前に薬物療法で改善した時点で、服薬中断は慎重にすべきでした。十代のころに発症していることからみても、このケースはたとえ症状が消失しても、再発予防として服薬を続けることが望ましかったと思います。
(2024.6.5.)