【4435】うつ病と診断されましたが、うつ病じゃないと思います

Q: 20代後半の女性です。
光トポグラフィー検査を受け、血流が低下しておりうつ病パターンだと結果を説明されました。また、問診の結果もうつ病ですと言われました。
症状としては以下のようなことがあります。
仕事中に自分の思い通りにいかなかったり、周囲からの声掛けなど些細なことでイライラしてしまい、そんなことでイライラしてしまう自分が嫌で、そのイライラに対してどう対処したらいいかもわからず泣きたくなります。以前はイライラすることなど滅多になく自分が変わってしまったのではないかと思います。仕事中で困ることがもう一つあります。それはボーっとするといいますか、集中できないといいますか、心ここにあらずみたいになることです。見えているし、動けているのですが、そんな自分を後ろからとか上から見ているような感じで、自分が見ている感覚ではなくなります。
また、なにもなく突然泣きたくなったり、こそこそ小声で話している人がいると自分の悪口を言われていると感じます。
睡眠に関しては、普段は22時~23時くらいに寝て、6時半頃起きます。4時や5時頃目が覚めて、そのあと寝れるのですが10分後とかには起きてしまい、それを6時半まで繰り返します。
これらのことは1日中あるわけではありませんし、毎日あるわけでもありません。ない時もありますし、何日も続けて起こることもあります。
ネットでうつ病の症状を調べたりして、自分がうつ病じゃないと思うのは笑えるからです。
症状は毎日ではないですし、笑うこともできるのにうつ病の可能性はあるのでしょうか。
また、光トポグラフィー検査が診断の補助に使われるのであって、それで診断するわけではないことは承知していますが、うつ病ではなくても光トポグラフィー検査で血流が低下しうつ病パターンを示すことはありますか。

 

林: うつ病の可能性は十分にあると思います。他の精神疾患の可能性も十分にあります。

自分がうつ病じゃないと思うのは笑えるからです。

それはうつ病を否定する根拠にはなりません。

うつ病ではなくても光トポグラフィー検査で血流が低下しうつ病パターンを示すことはありますか。

もちろんあります。「光トポグラフィー検査が診断の補助に使われるのであって、それで診断するわけではないことは承知しています」とおっしゃっていますが、このようなご質問をされるということは、「承知しています」とは言えません。

見えているし、動けているのですが、そんな自分を後ろからとか上から見ているような感じで、自分が見ている感覚ではなくなります。

解離の色彩がある症状です。解離は解離性障害以外、多くの疾患でみられる症状です。健常者にもみられることがあります。

こそこそ小声で話している人がいると自分の悪口を言われていると感じます。

統合失調症の色彩がある症状です。統合失調症の初期には抑うつなど様々な漠然とした症状が現れることがしばしばありますから、質問者の診断名として統合失調症の可能性も考えておく必要があります。このメールに書かれているその他の症状も、統合失調症の初期や前駆期に見られるものとして矛盾はありません。ただしこれは、質問者が統合失調症の可能性が高いという意味ではありません。回答の冒頭に記した通り、「うつ病の可能性は十分にあると思います。他の精神疾患の可能性も十分にあります。」がこのメールに記された症状についての回答です。

(2022.1.5.)

05. 1月 2022 by Hayashi
カテゴリー: うつ病, 精神科Q&A, 統合失調症 タグ: |