【2772】なかなか治らなかった痛みが抗うつ薬でよくなりました
Q: 40代女性です。私は1年半くらい前から股関節が痛くなり、地元の整形外科に通い理学療法士の指導の下、週2回のリハビリを現在も続けております。長い間立ち仕事を続けていましたが、股関節の痛みが尋常ではなく4ヵ月前に退職しました。退職したら痛みは軽減されるかと思ったのですが、全然治らず、痛みが増す時もあるくらいでした。以後は学校に3ヶ月間通い、今月初旬に修了しましたが、次の仕事を探してはいますが、また痛みが出て退職しなくてはならなくなったらどうしよう、という不安が常につきまとい、何もしていなくても非常に激しい痛みで脂汗が出てきたり、歩けなくなったり、ますます悪化する一方でした。そこで整形の医者に相談したところ、では薬を変えてみようと言われ、処方されたのがパキシルでした。初めは20mgでしたが、体の震えやめまい、眠気が非常に強くて現在は10mgと便秘がひどいので酸化マグネシウムを処方され、約1ヶ月がたとうとしています。痛みは確かに軽減され、少し長く歩いても平気になってきました。パキシルが抗うつ剤であることは後日何の気なしにインターネットで調べて判明し、さすがにびっくりしましたが、驚くほど痛みがなくなっているので、受け入れようと思い、医師の言葉を信じて服用しています。しかし、今後の仕事のこと、どの位服用しなくてはならないか、など、不安なことは山のようにあります。自分自身はうつ病ではないと思っていますが、痛みに対するストレスは相当強く、不安感もあり、痛みの恐怖もあります。これはうつ病なんでしょうか? この薬を服用しながら、仕事をしていくことは可能なんでしょうか?また、どの位の間、服用しなくてはならないのでしょうか?慢性疼痛の方は一生と言われたとありますが、私も一生飲み続けるのでしょうか?医師は明確な答えはくれません。様子を見ましょうと言うだけです。長くなりましたが、どうかご回答のほど、宜しくお願い致します。
林:
自分自身はうつ病ではないと思っていますが、痛みに対するストレスは相当強く、不安感もあり、痛みの恐怖もあります。これはうつ病なんでしょうか?
このご質問はおそらく、抗うつ薬が処方され、それが痛みに効果があったことから生まれたものと思われますが、うつ病かどうかとは全く関係なく、慢性的な痛みに抗うつ薬が効くことは事実として確立しており、この【2772】の整形外科の先生もその医学的常識に基づいてパキシルを処方されたのだと思います。その他、慢性的な痛みと抗うつ薬については【0600】慢性疼痛の再発予防のためには抗うつ薬を一生飲むべきでしょうか などをご参照ください。
(2014.9.5.)