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 うつ病の有名人


責任感が強く、仕事熱心で、やる時は徹底的にやる。その一方で他人への配慮も忘れない。こういう性格をメランコリー親和型といい、うつ病になりやすい性格とされています。
こうした人はストレスを受けやすい反面、まわりの人からみると確実で頼りになるので、責任ある要職に推されることも多くなります。たとえば、イギリスの首相チャーチル (Churchill, 1874-1965) がうつ病だったことは有名です。チャーチルは自分のうつ病を「私の黒い犬」と呼んでいました。まだ治療法があまり発達していない時代ですから、黒い犬が来るとそれが去るのをじっと待つしかありませんでした。こうしてうつ病と戦いながら、チャーチルはヒトラーと対抗する大切な時期のイギリスの指導者として活躍したのです。


メランコリー親和型の一途な性格のためか、うつ病と芸術は深い関係があります。古くはルネサンスの時代のミケランジェロ (Michelangelo, 1475-1564) がうつ病でした。あるときミケランジェロは当時の教皇ユリウス2世の墓のための彫刻を作成するよう、教皇自身から依頼を受けました。仕事に完璧を望むミケランジェロは、この依頼に応じるため、8カ月間も山にこもって材料の大理石を探しました。その留守の間にこの仕事自体を他人にとられそうになったことから始まって、ユリウス2世の墓の仕事は多くのトラブルの中で延々20年以上続きます。教皇は亡くなり、後任者と契約金などの条件をめぐる問題も絶えませんでした。うつ病が発症したのはこうしたストレスのさなかでした。当時のミケランジェロは、「自分の能力ではこの仕事はできない、事実1日仕事したら4日休まなければ続けられない」とか、「自分以外の若い人でもっとこの仕事に適した人がいる」といった自信喪失を表わす手紙を書いています。
結局墓は当初の計画よりかなり縮小した形で完成し、未完の彫刻がたくさん残ることになりました。現在フィレンツェのアカデミア美術館にある4つの奴隷の像も元々はこの墓のためのものです。その姿はミケランジェロの苦悩をそのまま表わしているような凄惨なものです。


チャーチルは文学者でもあり、ミケランジェロは詩人でもありました。うつ病がもっとも多い職業は作家かもしれません。ヘミングウェイ (Hemingway, 1899-1961) は50代の終りにうつ病になりました。ヘミングウェイは、若い頃は積極的に兵隊に志願したり、危険な冒険に挑戦したりして、自分の体験を次々に小説に著わしていました。しかしうつ病となってその精力的な作家の面影は失われ、被害妄想も出てきました。その妄想は、自分はFBIに逮捕されるというような非現実的なもので、入院治療を受けることになっています。当時は抗うつ薬がなく、唯一確実な効果が証明されていた治療法である電気ショック療法を受け、いったんはよくなり退院しましたがその後再発し自宅で猟銃自殺を遂げています。


そのほか、うつ病であったと言われている作家は、トルストイ、バルザック、ウルフ、ホーソン、島尾敏雄、梶井基次郎など数多くあげることができます。

また、最近では評論家の谷沢永一が自らうつ病であることを述べた自伝的な本を書いています。さらに、1999年に自殺した江藤淳もうつ病であった可能性があると言われています。

ところで、これほどにもうつ病の作家が多いと、その関係はとても偶然とは思えません。客観的な研究によっても、作家のうつ病の発症率は一般の人より高いことが実証されています。また、この研究によると、作家が一般の人より優れているのは文章力でも知能でもなく、創造性であるというデータが出ています。作家の血縁者にもうつ病は多いのですが、同時に創造性が高い人も多いということまでわかっています。うつ病には確かに遺伝因子があります。しかしうつ病の人は病気とともに創造性という才能も受け継いでいるのです。


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