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家族カウンセリングルーム

 

本人がアルコールの問題を認め、アルコールを断つこと。アルコール依存症の回復はこれにつきます。そのために必要なご家族の対応の仕方を解説します。



病気の進行に手を貸さない

アルコール依存症になるまでには、お酒を飲み初めてから何年もかかります。この年月の間には、社会的にも、身体的にも、精神的にも、いくつもの問題があったはずです。そこでつまづいて、飲むのをやめればアルコール依存症にはなりません。誰かがこうした問題をクリアーするのを助けたために、アルコール依存症が進行したのです。実際にはご家族がこうした病気の進行に手を貸してしまっていることが多いものです。たとえばその場しのぎの対応です。会社に嘘の電話をして二日酔いを隠す、飲まないという口約束をさせる、といったことがそれにあたります。こうしたことはアルコール依存症を進行させるだけです。飲むことを賞賛する風潮も、肝臓だけ治してまた飲める体にする医者も、病気の進行に手を貸していると言えるでしょう。社会にはこういう人があふれており、イネイブラー (Enabler) と呼ばれることもあります。まずご家族が病気の進行に手を貸すという役割をやめることが第一です。


アルコールについて正しい知識を持つ

アルコールにはプラスの面もマイナスの面もありますが、一般にはプラスの面が強調されすぎています。そうした風潮にとらわれると、つい態度も甘くなりがちです。アルコール依存症本人は、すでにアルコールについては公平な判断ができなくなっています。それも症状のひとつなのです。だからなおさらご家族は、アルコールのもたらす害について正しい知識を持つ必要があります。このホームページ、特にアルコールの害のコーナーや、図書室の本も参考になると思います。なかでも一番大切なことは、アルコール依存症は進行性の病気で、医学的な治療が必要だということです。

 

酔っている時に議論しない

酔っている時に何を言ってもムダで、疲れるだけです。話し合いは必ずアルコールが入っていない時にだけするようにしてください。

 

人の力を借りる

あなたはひとりではありません。全国には200万人以上のアルコール依存症がいます。ということはアルコール依存症の家族はその何倍もいることになります。同じような悩みを持っている人はたくさんいるのです。本人が病院に行きたがらなくても、保健所や病院ではご家族だけの相談を受け付けているのが普通です。

 

否認の病気であることを常に意識する

本人は、自分がアルコール依存症ではないというあらゆる理由を考え出します。また、ドラッグであるアルコールを得るためには手段を選びません。そのためには嘘も平気でつきます。アルコール依存症は否認の病気です。こうした否認は病気の初期にも回復期にも出てくると思うべきです。アルコールの害に目をつぶっている社会も、否認の病気にひたっていると言えるでしょう。

否認の病気は家族にも伝染します。「まさか自分の夫が、妻が、アルコール依存症のはずはない。」これは家族のもっとも陥りやすい否認です。

本人、社会、家族が否認を乗り越えてはじめて、アルコール依存症の真の治療が始まるのです。



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