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家族カウンセリングルーム
境界性人格障害の治療にはご家族の協力が欠かせません
■ まず誰に治療を受けるか決めてください
境界性人格障害の治療が進まない大きな理由のひとつとして、何回も主治医を変えることがあげられます。他人に対する評価がめまぐるしく変わるのが境界性人格障害の特徴のひとつですから、ある日突然主治医に不信感を抱いて別の病院にかかるということがよくあるのです。これではいつまでたっても本当の治療は始まりません。治療の枠組みを破壊すること自体が症状と言えます。ご家族としては、本人の言葉をそのまま鵜呑みにせず、最低でも1年くらいはひとりの先生の治療を受けるようすすめるべきです。そしていったん主治医を決めたら、その先生の指示にはしたがわなければなりません。他の人の言うことや、本に書いてあることが、その先生の言うことと違っていても、もう気持ちを変えてはいけません。その先生の処方する薬以外を飲むようなことがあってはいけません。
■ 適度な距離が必要です
境界性人格障害の方のご家族の特徴として、(1)患者さんに干渉しすぎる (2)患者さんを無視している の両極端のどちらかが多いものです。(1)の干渉というのは、本人のことを心配し、親身になって考えようとするあまり、客観的な態度が取れなくなることにつながります。この結果、患者さんの言葉通りに他人を崇拝したり軽蔑したりし、人間関係や治療関係を破壊することになりがちです。(2)の場合は、本人が治療を受けることに反対したりすることもあります。どちらにしても本人のためになりません。近づきすぎず、離れすぎず、適度な距離が必要です。
■ 現実をよく見てください
そう簡単には良くならないのが現実です。一見すごく良くなったように見えても、すぐに最悪の状態になることもよくあります。目標をあまり大きく設定すると失望も大きくなります。現実的な目標を立ててください。冷静な目で、現実を長い目で見ることが大切です。
■ ひとりで考えたり決めたりしてはいけません
問題はいろいろ起きていると思います。たとえば自殺未遂。自殺してやるという脅迫めいた言葉。こういうことに対して、ひとりで対応してもその場しのぎにしかなりません。人には言いにくい問題であればあるほど、必ず主治医に報告して相談することが必要です。
■ ご家族の治療が必要になることもあります
人格障害の中には、家族内の人間関係が原因と思われることもあります。たとえそうでない場合でも、境界型人格障害の治療では、ほかの病気以上にご家族の協力が欠かせません。それは家族療法という形をとる場合もあります。
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