図書室
躁うつ病
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(●は一般向け、●は専門家向けです)
これは宣伝です
●●●「躁うつ病 患者・家族を支えた実例集」 林公一著 保健同人社 2009年
一般向けの躁うつ病の本の「決定版」を目指して私が書いた本です。躁うつ病についての重要事項を、すべて実例に基づいて解説してあります。このサイトにメールを頂いたたくさんの方々のお蔭で実現した本です。皆様には深く感謝申し上げます。
●●●「躁うつ病はここまでわかった」 加藤忠史 不安・抑うつ臨床研究会[編]
この本の編集代表者の加藤忠史先生は、躁うつ病についての一流の研究者であると同時に、一般の方々に向けての躁うつ病の啓発活動も熱心にしておられる、精神医学の世界ではとても有名な先生で、現代の日本の躁うつ病についての第一人者と言えます。その先生をはじめとする「不安・抑うつ臨床研究会」の先生方が、躁うつ病について一般向けに開催した講演会が、この本のベースになっています。その内容は、躁うつ病のごく入門的な知識から始まり、症状、治療、対応法、さらには最新の研究にまで及んでいます。また、講演会で聴衆の方々から寄せられた質問に対する答えも最後についています。
現時点(2008年5月)で、躁うつ病をテーマとする本でこの本に優るものはないと私は思います。と断言する私は、最近、躁うつ病に関する一般向けの本を、ほとんどすべて読んでみたのです。その理由は、実は私は躁うつ病の本を書くことを計画しており、そのためにはいま出ている本をチェックし、いま是非必要な本は何かを考えるためでした。「躁うつ病については、あまり良い本は出ていない」と私は思っていたのですが、この「躁うつ病はここまでわかった」を読んで、その考えはあらためました。そして私は今、どうやってこの本を超える本を書くかを熟考中です。
↑これは2008年に書いたものです。こうした熟考の後に私が書いた本が、このページのいちばん上、「躁うつ病 患者・家族を支えた実例集」です。一般向けの躁うつ病の本ととしては、「躁うつ病はここまでわかった」に優るものができたと私は考えているのですが・・・読者にご判断いただきたいと思います。
●「うつ病・躁病を治す これで安心して"治せる"」 柏瀬宏隆著 保健同人社 1995年
躁うつ病についての概略を知るにはいいと思います。しかし重点はうつ病に置かれていますので、躁うつ病の参考書として迷わずお勧めできるという程ではありません。
●「もう「うつ」になりたくない」 野村総一郎著 星和書店 1996年
躁うつ病の商社マンの実例が紹介されています。この本は基本的にはうつ病の本ですが、うつ病と躁うつ病の関係を理解するにはいいと思います。うつ病の図書室にもご紹介してあります。
●●「マンボウ氏の暴言とたわごと」 北杜夫 新潮文庫 1994年
精神科医で芥川賞作家の北杜夫は躁うつ病です。しかも昔からそれを隠すことなく、むしろエッセイなどに面白おかしくご自分の症状を書いておられます。これによって躁うつ病が身近になり、偏見がかなり解消されるという効果があったと思います。この本の87ページにもこう書かれています:「私が自らの躁鬱病をことさら誇大に書いてきたのは、もとより天来の性分でもあるが、何とかして世間の人々が精神病者に抱く偏見を取り去りたいためであった」
この本はエッセイ集ですが、随所にご自分の症状(特に躁状態の症状)が描写されています。すべてが本当かどうかはちょっとわかりませんが、どれも躁状態の実際の症状として納得できるものです。楽しく読めて、同時に躁うつ病のことを知ることが出来るという意味では、下手な参考書よりもお勧め出来る本と言えます。
●新潮45 2001年6月号
これは雑誌ですが、北杜夫夫人の手記があり、身近なご家族から見た躁うつ病の症状がよく書かれています。●●●A common mechanism of action for three mood-stabilizing drugs . Nature 417, 292- 295(2002) by ROBIN S. B. WILLIAMS, LILI CHENG, ANNE W. MUDGE & ADRIAN J. HARWOOD
薬局にご紹介しましたように、躁うつ病を治療し、かつ予防も可能な薬として、リチウム、カルバマゼピン、パルプロ酸の三種類がありますが、なぜこの三つの薬にそうした効果があるのかは謎でした。このNature(2002年5月)の論文は、その謎を解く手かがりとなる、インパクトのあるデータを紹介しています。こうした基礎的な優れた研究を元に、脳の中の躁うつ病の根本にあるメカニズムが解明され、しかもより有効な薬が開発されることが期待されます。
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