精神科Q&A

【0047】ひどい寝汗をかくのですが、自律神経からくるものでしょうか


Q:  36歳の女性です。子供の幼稚園の役員が負担で、情緒不安定が続いています。特に2ヶ月ほど前からひどくなりました。子どもに辛くあたったり、虐待だ・・・と自分を責めたりしています。同じころより、毎夜、汗で目が覚めるとパジャマがぼっとりと冷たく濡れているようになりました。暑いとは感じません。むしろ、寒いくらいです。この汗は、自律神経から来るものなのでしょうか。  

林: 「汗をかく」というのは、自律神経の作用ですから、ストレートにお答えすれば、「そうです。それは自律神経から来るものです」ということになります。けれども、お聞きになりたいのは「役員のストレスで自律神経に症状が出ているのでしょうか」という意味だと思います。それに対するお答えは「多分そうだと思います」ということになります。

自律神経については、自律神経失調症の医学部講堂で解説してありますが、心理的なストレスによって、自律神経に症状が出ることはとてもよくあることです。あなたの場合、ストレスとの時間的関係がかなりはっきりしており、しかも情緒不安定という症状を伴っていますので、寝汗もまず間違いなくストレスによる自律神経症状だと思います。対策としては三つ考えられます。

@    ストレスの原因を取り除く・・役員の任期はいつまででしょうか。

A    ストレスにうまく対処する・・ストレスは主観的なものです。受け取り方によってはそれだけで症状を止めることができます。図書室の「いやな気分よ、さようなら」「「うつ」を治す」などの認知療法の解説が参考になると思います。

B    症状を薬で軽くする・・抗不安薬が有効です。寝汗に対しては、寝る前に作用時間の長い抗不安薬を飲むことで改善が期待できます。日中の情緒不安定もかなり強いようなら、昼間も飲んだ方がいいでしょう。

ただし、ストレスがきっかけとなって、体の病気になることもよくあることですので、体のほうの検査も必要だと思います(体の病気で寝汗をかくこともあります)。また、ストレスがきっかけでうつ病になることもあり、その場合は抗うつ薬による治療が有効です。

 

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