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自律神経失調症の本はたくさん出ていますので、どれを読んだらいいのか迷うことが多いと思います。いい加減な本もたくさんありますので、注意して選んでください。


●●自律神経失調症を治す本
 河野友信監修 ナツメ社 1998

少し大きな本屋さんに行くと、自律神経失調症の本は10種類以上ならんでいます。その中で、私が見て内容が正確で、しかも読みやすいと思ったのがこの本です。どの項目も見開き2ページにまとめられ、絵もたくさん入っており、どこから読んでも分かりやすくできています。「治す」ために、医学的な治療だけでなく、生活習慣や食事もよりよくしていくというアドバイスは、これこそ本来のトータルな治療という実感があります。ただしこれを「自律神経失調症」と呼ぶことはやはりひっかかるところですが・・

 

●●「「心の悩み」の精神医学」
 野村総一郎著 PHP新書 1998年
 

これは自律神経失調症の本ではありません。精神科を受診する人に多い症状のパターンについて解説した本です。自律神経失調症について書いてあるのは1ページだけですが、核心をついています。自律神経失調症とは日本独特のあいまいな病名であると前置きしたうえで、

「・・このような患者が自律神経に異常があるという医学的な根拠は何もない」

「自律神経失調症とつけられたことにより、何か病気が分かってしまったように患者も医者も安心してしまい、その背景にあるいろいろのメカニズムを調べなくなってしまう」

だからこの名前には全く意味がないばかりか、害がある、と言いきっています。

良心的な医者が真面目に自律神経失調症という病名について考えれば、ほぼ間違いなくこのような意見が出てくると思います。私も大体同じ意見です。ただし、病名そのものはともかく、検査しても異常がみつからない症状に対して、心身両面から診断・治療していくためには、自律神経失調症という診かたは意味があると思います。だからといってそういう病名をつける必要はないかもしれませんが・・

なお、この「心の悩みの精神医学」はとてもいい本で、 ほかのページでも紹介してありますが、自律神経失調症についてだけ読みたい方は、1ページ(第一版では59ページ)を読めば充分です。自律神経失調症の本を買いに行ったら、ぜひついでに立ち読みしてください。PHP新書です。


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