精神科Q&A
【0480】コタルド症候群とは何ですか
Q: 54歳の母が、3年ほど前から落ち着きがなくなり、家中を走り回ったりするようになりました。1〜2年は泣き喚いたり(涙はでていない)自分の人生を後悔ばかりしていました。ここ1年は、落ち着きがないのは同じですが、寝てばかりいて、何もしなくなりました。カウンセリングにはかよっているのですが(1週間に1度)毎回「行きたくない」と固くなります。今日違う病院でみてもらったら「コタルド症候群」だといわれました。「コタルド症候群」とはどんな病気なんでしょうか?治療法はあるのでしょうか? 入院したほうがいいのでしょうか?家族もつかれはてています。
林: おそらくこれはコタール症候群のことをいっているのだと思います。コタールはCotardと書きますので、それを「コタルド」と読んでいるのでしょう。正しくはコタールですが、この際名前の読み方は本質的な問題ではありませんので論じないこととします。
コタール症候群については、【0437】にも解説してありますが、否定妄想と呼ばれる症状が中心になります。コタール症候群は稀な病態で、お母様の症状がこれにあたるかどうか、メールの記載からは判断できねます。経過の記載と年齢からは、焦燥感の強いうつ病がもっとも近いように思います。(コタール症候群は、焦燥感の強いうつ病の一症状とする見方もあります)
だとすれば、治療はうつ病の治療と基本的に同じです。病院には通っておられるようですが、薬は飲んでおられるのでしょうか。この症状はカウンセリングだけでは治らないと思います。主治医の先生によくご相談ください。