精神科Q&A

【0049】 高齢者が抗うつ薬を飲むと痴呆になることがあると聞いたのですが。


Q: 70歳の父が、どうもうつ病のようです。うつ病には抗うつ薬が有効といいますが、高齢者が飲むと痴呆になることがあると聞きました。どうするのがいいのでしょうか。

林: 抗うつ薬で痴呆(認知症)になることはあり得ません。年齢には関係ありません。うつ病なら、抗うつ薬で治療すべきです。ただし、どんな薬でも、高齢者の場合は副作用が出やすいことは確かですので、十分な注意が必要です。抗うつ薬や抗不安薬(安定剤)のような薬では、眠気が出ることがあるので、外見的には少しぼけてしまったように見えることはあり得ます。しかしこれは一時的なもので、薬を調整したり、または中断すれば完全に元に戻ります。これが認知症につながることはありません。
 むしろ高齢者で気をつけなければならない副作用はフラつきでしょう。転んだりすると骨折などをしやすいので、特に飲み始めは注意が必要です。
それからもうひとつ、ご質問の文面は「うつ病のようです」とありますが、もしまだ診断されていないのなら、治療法を心配するのは気が早すぎます。高齢者では認知症(痴呆)とうつ病の区別はなかなかつきにくいものです。まず受診することが、第一にすべきことです。

 

精神科Q&Aに戻る

ホームページに戻る