開設にあたって
1997.4.16. 林 公一
これからは脳の時代であると言われています。
人類最後のブラックボックスである脳は日に日に解明されつつあります。その最前線の脳の科学者が一番よく受けるのは、「こころは科学で解明されると思うか」という問いです。
この問いは、科学がどこまでこころに迫っているかを聞きたいのではなく、「こころは科学では解明できない」という答えを期待していることがほとんどでしょう。
こころの領域だけは科学や医学に踏み込まれたくない、そういう気持ちは誰にでもあります。こうした気持ちは、こころの領域に入られるくらいなら脳の科学は進歩しない方がいいという倒錯した心理にもつながります。
でもそれはこころの健康があってはじめて言えることです。
脳の科学の進歩の恩恵をまっさきに受けるのはこころの病に悩む人たちです。
現代の日本には百万人の単位でこころの病気にかかっている人がいます。数の上からは本当にありふれた病気です。それなのに、いまだに精神科の敷居は高く、多くの人が治療を受けることなく病状が悪化し、それを見た人は、やっぱりこころの病は治らないものだという感想を持ってしまうことが多いものです。
実際には、脳の科学はこころの病の診断や治療の進歩に大きく貢献し、適切な治療をすれば、その多くが治るようになっています。残念なことは、そのことがあまりに知られていないことです。
このページは、現代の精神科を知って頂くことを理念として作成しました。
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