精神科Q&A

【0706】うつ病はよくなってきたのですが、アルコールの量が増えています


Q: 【0506】判断力の低下も、うつ病の症状でしょうか 【0604】うつ病の回復に、家族の理解が得られません で相談をさせていただいた、現在30歳女性です。
鬱のなかで自分のなかで正しい判断が出来ないとわかっていてもあせったりどうしてもしてしまいますので先生に相談をさせていただいてサイトに載せていただいて答えをいただいたときには本当に涙が出たくらいうれしかったです。
確実に回復をしているといわれているのもうれしかったのだと思います。

現在の状況としては相変わらず症状も家族や周りも変わりませんがぼちぼちと林先生の回答を思い出してマイペースでと言い聞かせております。
仕事が今一番責任のある仕事になってしまい少ししんどくなってきているのは正直なところです。
でも鬱のことは仕事仲間は誰も知りませんがいい同僚に囲まれなんとかこなしています。

今回の相談は1年以上前から続いていることなのですが去年の夏ごろからつかれもあったんだと思いますが食欲がなく一時期アルコールを水代わりに食べないと体が持たないとか眠れない(ロヒノプールは2,3時間の眠りにはきつすぎるのです)などの理由から浴びるようにビールやチューハイ、ワインなど飲むようになりました。
このままではいけないと思い抗酒剤の服用など先生にも申し出たのですが余り薬を使うのが好きな先生ではなく肝臓の機能などの血液検査をしただけで(全く異常ありませんでした)そのときは終わりました。
多少その症状が一時期ましになったのでそのままにしたのですが今年の春ごろからまたのみ続けるようになり現在では朝昼晩と少なくて1食につき500ミリリットルから2リットル程度飲むようになりました。
冷蔵庫などにアルコールがないと落ちつかず自分でもよくない状況とは思っています。
今のところ手が震えたり泥酔し他人に迷惑をかけたり酔った状態で仕事にいくことはありませんがこのままでよくなるとも思えません。
今年も今血液検査の結果待ちですがまた今年も以上がなければ「肝臓とか強いんですねえ」と言われてそのままにされることが確実と思われます。
私は今回の結果検査が異常があろうがなかろうが自分から強く申し出て抗酒剤を使うべきなんでしょうか?
アルコールが残ったまま仕事に出勤するようになってからでは遅すぎると思うのです。
よろしくお願いいたします 

: あなたはアルコール依存症になりかかっているようです。あるいはもうなっているかもしれません。
うつ病の相談室のp.87からにお書きしたように、うつ病の方がアルコール依存症を合併するのは比較的よくあることです。
 そして、これは全く医療の側の問題なのですが、うつ病の治療は出来てもアルコール依存症には目を向けない医師が多いという事実があります。これもうつ病の相談室のp.87からに書いたことですが。
 あなたの主治医の先生も、残念ながらそうした医師の一人のように読み取れます。アルコール依存症は、肝臓の検査をいくらしたところで診断できるわけではありません。アルコール依存症では肝機能障害になりやすいことは確かですが、肝機能が正常だからといってアルコール依存症でないとはいえません。

 あなたのケースでは、アルコール依存症の治療をしてくれる医師にかかるのが最善ですが、それが困難であれば、まずはご自分で飲酒を完全にやめる努力をするべきでしょう。

私は今回の結果検査が異常があろうがなかろうが自分から強く申し出て抗酒剤を使うべきなんでしょうか?

抗酒剤は、アルコール依存症の治療に用いる薬ではありますが、抗酒剤を飲めばそれで解決するわけではありません。上のあなたの一文の中の前半、

私は今回の結果検査が異常があろうがなかろうが

は正しい認識です。しかし後半の抗酒剤については必ずしも正しくありません。
抗酒剤を使う・使わないはともかく、まずご自分で断酒の努力をしてみてください。

その後の経過(2006.12.5.)


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