精神科Q&A
【1856】一人暮らしの住人からの嫌がらせにマンションの理事会も打つ手がない状態です
Q: マンションの隣人からの嫌がらせについてです。
私が現在のマンションに越してから6年程になるのですが、ずっと隣の住人から嫌がらせが続いております。
隣人は60台位の男性で、一人暮し、マンションの管理組合に出されている連絡先は大変高齢の父親の名前が書かれているようで、実質家族は誰もいないような状態です。
嫌がらせは、はじめは、夜中に壁をたたく、呼び鈴を連打する、ドアを蹴る、一日50回程度の無言電話といったものでした。
また、同様の嫌がらせが私が越してくる以前より反対側の住人、また2階（私達は一階に住んでいます）の住人に対しても行われておりました。
その当時、マンションの管理会社がどうして嫌がらせをするのか聞いてくれたのですが、 その答えが「壁をたたかれるからたたき返しているのだ」「妨害電波が出されていて家電品が壊れたからだ」「近所に変な噂を流されている」等であり、当然、私には全く身に覚えのないことでした。
私も隣人のことを良く知りませんでしたので、大変怖い思いをし、多少ノイローゼのようになってしまい、精神科を受診いたしました。その時は始め私の方に問題があるのではと疑われたようですが、状況を説明すると確かに隣人の方が怪しいということをいわれました。しかし、病院からは何もできないとのことでした。また、保健所や法律相談にも行きましたが、同様に家族がいないと何もできないと言われました。
この時は、さすがに嫌がらせが深夜〜早朝でしたので、耐えかねて、ビデオを撮影し、嫌がらせ電話の番号を控えて警察に相談し、確かに嫌がらせ行為があったということで警察から注意していただきました。
以来、夜中の嫌がらせはなくなったのですが、あいかわらず昼間は呼び鈴を鳴らされたり、壁をたたかれたり、最近では生ごみを投げ入れられたり、私の部屋から悪臭がすると言い立てられたりしています。
毎年、梅雨の時期、また秋頃は奇行や嫌がらせが増すのですが、今年は今までと異なる行動をとっており、気味の悪い思いをしております。
今まで、昼過ぎまで寝ていて、夜中まで起きている生活だったようですが、最近は朝6時前から起きています。
数年前より時々庭で意味不明の歌を歌っているのは聞いていたのですが、今年は特にひどく、早朝からずっと何かぶつぶつ言ったり、歌を歌っています。
その内容も文字に出来ない程のひどくイヤラシイ内容だったり、「あいつは悪魔だ、悪魔だから仕方ない」などと言ったりです。
以前は廊下に人の気配があるときは絶対に部屋から出てこず、出てくるときも絶対に目を合わせないように、顔を隠すように歩いていたのに、最近は何かぶつぶつ言いながら平気で通りすぎていきます。
先生の相談内容に似たものを何件か見たのですが、【0396】の回答は、転居したほうが良い、また【0959】では「この方のご両親が統合失調症という病気について正しい知識を持ち、その結果一日も早く受診できるよう促すことだと思います。」と書かれていらっしゃいます。
しかし、購入したマンションで転居ができず、隣人も引っ越すことは考えられず、家族もいない場合、周りの住人はどのように対処すれば良いのでしょうか？
私や2階の方は、ああ今年もまた始まったねぇ・・・くらいで我慢しているのですが、色々な文句をマンションの管理人や理事会にすごい剣幕で言い立てており、理事会ではどう対応して良いか分からないようです。
下手に対応されて状況が悪化することだけは避けたいのです。
言ってくる苦情に対して、認めてあげた方が良いのでしょうか、それともそんなことはないとはっきり言ったほうが良いのでしょうか?
また、奇行に対しては注意したほうが良いのでしょうか、無視したほうが良いのでしょうか？
何とか生活できるくらいで状況を悪化させず過ごせるならば、と思っています。
林: この隣人の方は、統合失調症か妄想性障害です。
言ってくる苦情に対して、認めてあげた方が良いのでしょうか、それともそんなことはないとはっきり言ったほうが良いのでしょうか?
また、奇行に対しては注意したほうが良いのでしょうか、無視したほうが良いのでしょうか？
どれも不適切です。治療を受けていただく以外に方法はありません。
そのためには、この方のようにご家族がいらっしゃらない場合は、精神保健福祉法23条か24条に基づく対処が適切な手段といえます。
(2010.10.5.)