精神科Q&A
【1158】授業で指名されるのがつらく、退学しようかと思っています
Q:
私は19歳の女子大学生です。病院に通うことも詳しい事情を人に話す勇気がなく大変困っているのでメールさせていただきました。
私は今大学1年生で一人暮らしをしています。志望していた大学に入学できたにもかかわらず、寂しがりやの私は前期の頃から一人でいることの寂しさや慣れない土地での生活により相当参ってしまい、何に対しても消極的、ネガティブ、何もやる気がしないという状況に陥っていました。
長い夏休みはできるだけ学校のことを考えずにとうとう後期が始まりました。そして恐れていた事態が発生したのです。
私は高校生のとき、国語に苦手意識があり授業にも消極的でした。あるとき授業で教科書を読むよう指名されました。上手に読むことができない私は声を手も震えすごく恥ずかしくどうしようもない気持ちになりました。それからしばらくして指名されたり、されそうになったり、誰かが指名されるときでさえ私は緊張し、呼吸が苦しくなり、胸の辺りも苦しくなります。実際に指名されると声は震えるし鼓動も信じられないほどの早さで打つのです。そして何より辛いのは息がしにくくなること。それからというもの、普段から喉や胸の辺りに何かがひっかかっているような不快感があります。
高校の時は先生に打ち明け、先生方に協力してもらい、できるだけ指名されないようにしてもらいました。このときはなんとか少し落ち着いた状況になれました。
しかし、大学の後期になり、国語の授業で今までは先生が教科書を読んでいたのに今度は生徒に読ませるようになりました。これがきっかけで息苦しさが再び発生したのです。
授業に出るのが今では苦痛であり、この調子でこれから増えていくゼミの授業などはどうすればいいのだろうと思っています。指名されそうになるたびに苦しくなるし、何に対しても否定的で何かを始めることも億劫です。4年間もこの調子では持たない…いっそ大学を辞めてしまおうかと考えてしまう毎日です。
こんなとき私はこれからどうすればいいんでしょうか？先生、ぜひアドバイスをよろしくお願いします。
林: 授業の時に限定した息苦しさ。この症状の背景には、何か深いものがあなたの中にあるのかもしれません。それを明らかにしていく治療というのも考えられますが、それにはかなりの時間がかかるでしょう。
4年間もこの調子では持たない…いっそ大学を辞めてしまおうかと考えてしまう毎日です。
あなたのこのような状況を見ますと、時間がかかる治療を選択するのは、今は好ましくないといえます。それよりも、まずは薬の力を借りて、大学の4年間を過ごすことをお勧めします。抗不安薬があなたの症状にはよく効くと期待できます。
不安という症状に対し、薬で対処するのがいつもいいというわけではもちろんありません。たとえば【1157】のようなケースでは、薬以外の方法をまず考えるべきでしょう。しかしこの【1158】や【0141】のようなケースでは、むしろ薬を積極的に使ったほうがいいといえます。そしてこのケースでは、薬が効くということが実感できれば、それだけで自信になり、症状そのものが軽くなることも期待できます。精神科を受診し、抗不安薬を処方してもらうことをお勧めします。