精神科Q&A 【0141】人前での緊張のため退職しました。就職は無理でしょうか Q: 36歳の男性です。1年ほど前から、会議の席や発表の席など、他人の目にさらされる場に　置かれると、緊張してめまいが起き、卒倒しそうになります。このため退職しました。最近になって少しは症状が改善してきたので、先日、就職試験を受けましたが、また卒倒しそうになり、受験どころではありませんでした。もし採用されたとしても、とても仕事にならないと思います。一度精神科に相談に行き、デパス０.5ｍｇを1日１錠服用しておりますが、それでも駄目なので、自分には普通の会社に勤めることはもう無理なのかと考えています。   林: あきらめるのは早すぎます。 　デパスという薬は、飲んでから効くまでは比較的早いのですが、効果が長続きしないという性質を持っています。ということは、あなたのような症状の場合、１日1回1錠飲んでも、効果は期待できないということです。そこで別の治療法としては、 (1) もっと効果が長続きする薬(たとえば、セルシン、メイラックスなど)を飲む。飲み方は１日１回から３回くらいの間で。 (2)  デパスを飲むのなら、会議など苦手な状況の直前に飲む。また、0.5ミリグラムというのは最低量なので、効かなければもっと多く飲む。 の二通りが考えられます。これなら効果が大いに期待できます。　次の段階として、薬をいつまで続けるかという問題がありますが、あなたのように症状のために退職までされた場合には、まず治すことが先決でしょう。(1)、(2)のいずれか(または両方併用してもいいと思います)で、治ることは十分期待できます。また、こうした症状には抗うつ薬が良く効く場合もあります。 　まだまだあきらめるのは早すぎます。普通の会社に勤めることができるようになると思います。 　 精神科Q&Aに戻る ホームページに戻る