精神科Q&A
【1130】自殺した弟の診断名について(【1075】のその後)
Q: 自殺してしまった弟のことで質問し、【1075】で回答をいただいた31歳の主婦です。その節はありがとうございました。
非常に自分勝手で情けない事ですが私は先生から「あなたに落ち度はありません」と言っていただきたくて色々調べていたのかもしれません。自分を責めてばかりいて、日常生活に支障をきたしており、私自身も何かしら治療が必要かもしれません。
弟が亡くなる前から私も家族もうつ病の本を読んだり、うつ病について調べたりしていましたが、統合失調症という病気は知りませんでした。明日近所で統合失調症に関するフォーラムがあるので参加してきます。私をはじめ遺された家族のために、弟の身に何が起こったのか、色々な可能性を調べたいです。
自責の念も強くありますが、弟が受診した病院や母に不信感があり恨んでいました。でも事実は事実として受け止め、前を向いて生きていこうと思えるようになってきました。弟は病気だったのですよね。誰も悪くなかったのだから、人を恨んだり自分を責めるのはやめようと思います。
母には母が詳しい症状を病院で話していれば救えたかもしれない…という事は伏せて統合失調症だった可能性もあると伝えるつもりです。
先生、親身にご返答下さり本当にありがとうございました。毎晩眠れず色々と検索してこちらへまいりました。弟の病気についてわかって本当に良かったです。私の話が同じような症状で苦しむ方の参考になれば幸いです。本当にありがとうございました。
林: 苦悩が続いておられる時期に、このようにメールをいただきありがとうございました。
弟が亡くなる前から私も家族もうつ病の本を読んだり、うつ病について調べたりしていましたが、統合失調症という病気は知りませんでした。
うつ病という病気は、少なくとも名前だけはよく知られるようになりましたが、統合失調症はまだまだ一般の認識度が非常に小さい病気です。ですから、あなたのような方は非常に多いのだと思います。しかし統合失調症は、その患者数からも、症状からも、適切な治療を受けなかった場合の帰結からも、うつ病と同じからそれ以上に重大な病気です。そして有効な治療法が存在する病気ですから、統合失調症についての認識が広まることは、患者さん本人のためにも、ご家族のためにも、社会のためにも、非常に重要なことです。あなたのご体験をこのように公開させていただくことは、たくさんの方々にとって、このうえなく貴重な情報になると思います。深く感謝いたしますとともに、弟さんのご冥福をお祈り申し上げます。