精神科Q&A
【0240】落ち込んであたり前の状況だと思うのですが、それでも治療を受けるべきなのでしょうか
Q: 39歳女性です。ベーチェット病でステロイド(プレドニン)を何年ものんでいます。先日、当ページの「うつ病の自己診断」で73点という高得点で、愕然としていました。今日は少し落ち着いて、他のページを見たところ、「うつの自己診断チェック」でチェックできると思うのがおかしい、との所で笑ってしまいました。誰でも、落ち込む時はあるし、特に私の場合は、うつの副作用の出るプレドニンを飲み続けなければならない事、ベーチェット病という難病になった事、失明という恐怖がある事、次にどんな症状がでるかわからない不安がある事、夫の裏切りにあった事など、私のこの状況を並べると、普通の人でも（うつ病でなくても）落ち込んであたりまえとも思ったのですが。今は、何もやる気がおきない、一日中ごろごろしている、涙もろい、自分がいない方が家族の幸せに思う、などなどうつ病の症状？はバッチリありますが。ベーチェット病の疲労感とも似ていて、判断に迷います。なんとかこの状況を自力で脱出したいと思っていますが、その一方で今の私って、どうも本物のうつ病みたいな気もしています。どうなんでしょう？もう、自力でうつ病回避は無理なのでしょうか？嫌だけど精神科で投薬を受けるべきなのでしょうか？
林: ほぼすべてあなたのおっしゃる通りで、ご自分の状態を正確に洞察されていると思います。難病にかかっておられること、信頼していた人から裏切られたことだけでも、うつになって不思議はないでしょう。また、ステロイドの影響でうつになっている可能性も否定できません。もちろんそれらとは無関係にうつ病になっていることもあり得ます。
以上はすべてありうることで、決め手は今のところないし、今後診断の決め手を見つけるのも難しいと思います。そこでご質問の投薬を受けるべきかどうかということになりますが、私は投薬を受けるべきだと思います。抗うつ薬が鮮やかに効くのはいわゆる本物のうつの場合ですが、それ以外でもある程度の効果は期待できます。いかなる理由があっても、うつ病にかなり似た症状がある場合(うつ病にかなり似ていれば、それはうつ病だという考え方もあります)には、抗うつ薬で治療して苦しみを軽くすることを考えていいと思います。精神科で相談されることをおすすめします。
【関連ページ】
●うつ病の医学部講堂
「うつ病にかなり似ていれば、それはうつ病だ」というべきかどうかという点に関してです。
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