精神科Q&A
【2248】無数ともいえる誤診の後、ようやく正しくてんかんと診断され、適切な治療を受けることができました(【1529】のその後)
Q: 林先生 ご無沙汰しております。 【1529】急に出てくる吐き気や錯乱のような症状 で質問させていただいた20代女性です。ご回答、本当にありがとうございました。遅くなりましたが、その後のご報告を兼ねてお礼のメールをお送りします。 先生にご回答いただいたのちに、てんかん専門の先生を訪ね、問診・脳波検査の後、ようやくてんかんとの診断が出ました。いまはテグレトールを100mgを朝晩1錠ずつ服用し、以前のような発作は抑えられています。しかし、先日再度脳波検査を行ったところ、睡眠時に脳波の乱れがあるとのことで、まだまだ治療は続くようです。発作が再発するのが一番怖いので、あせらず気長にいこうと思っております。 今回一番辛かったのが、てんかんであったのにも関わらずその他の病気(風邪・パニック発作・解離性障害(離人症?)・自律神経失調症・その他精神的なもの)との誤診が多いことです。いまの先生に辿り着くまでに、内科・脳神経外科・精神科などの先生に見ていただきましたが、てんかんの可能性を一切考慮しない診断で、納得がいく診察をしていただけず、林先生にご回答いただいたあとも、結果的に1年近くドクターショッピングのような状態になってしまいました。最終的に脳波検査で異常が見つかったので良かったものの、あのまま見当違いな治療を続けられたら・・・と思うとゾッとします。 【1537】パニック障害と診断されていますが、てんかの疑いはありますか / 【1758】パニック障害と診断され5年以上発作が治らなかったのですが、てんかんの治療を始めていただいたら、発作がきれいになくなりました のかたも同じような体験をされたようで、本当に深刻なものだと思います。おそらく、上記のような誤診で適切な治療を受けられていないかた、また自分がてんかんだと気づくことさえできないかたが、まだたくさんいらっしゃるものと思います。少しでも多くの方が、正しい治療を受けられることを願っています。私の体験がその一助になれば、これほど幸いなことはありません。 本当にありがとうございました。
林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。てんかんという正しい診断が下されず、効果のない治療を続けられている方は、ほかにもいらっしゃると思います。このご報告は、そういう方々への貴重な情報になると思います。ありがとうございました。
(2012.5.5.)