精神科Q&A

【1758】パニック障害と診断され5年以上発作が治らなかったのですが、てんかんの治療を始めていただいたら、発作がきれいになくなりました(【1537】のその後)


Q【1537】パニック障害と診断されていますが、てんかんの疑いはありますか のメールを出させていただいた者です。その節はご回答いただきありがとうございました。その後、通っていた心療内科に予約が入っていたので診察中にてんかんの話を少ししてみたところ(こちらのHPの話はしていませんが)「側頭葉てんかん」という病気の症状を覚え違いをしていたのか、「側頭葉てんかんは急に倒れたり、てんかんの中で一番ひどい症状のやつでしょ?あなたはあてはまらない」と言われたり、近所の個人でやっている神経内科に行ってみたところ、素人の私にはよく分からないのですがMRIや脳波検査ではない検査をされ、結果「パニック障害と診断され病院に通っているならパニック障害で間違いないのではないか」と言われてしまい、わざわざ仕事を休んで病院に行ったのが馬鹿らしくなってしまい半年くらい発作を放置してしまいました。
しかしちょうど昨年の年末頃、今までにないほどひどい発作が一週間ほど続き、これはさすがに尋常ではないと思い直し、今考えれば最初からそうすればよかったのですが、市内で一番大きな総合病院に行ってみました。そこで初めて脳波検査を行ったところ、一回目は異常無しだったのですが、二回目に右側の脳にてんかんの波が出ていると言われテグレトールを処方されました。しかしこちらの薬は後の血液検査で肝臓の数値が思わしくなかったのと、聴覚異常の副作用が出たのでエクセミドに変更され、血液検査も異常なしで今に至ります。わずか一年半前までは自分はパニック障害だと思い込み、てんかんというのは急に泡を吹いて倒れたりする症状の病気だという認識しかなかったので、私も家族も目からウロコが落ちる思いです。そして何より五年以上悩まされていた発作がおさまって、このHPと林先生に感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました。


林: 経過のご連絡をいただきありがとうございました。正しく診断されて正しく治療がなされた結果、長年苦しめられていた症状が改善され、大変喜ばしいことだと思います。
【1758】の質問者の方には、良い結果が得られた現在、これ以上の説明は不要と思われますが、しかし事実を回答するという本サイトの方針に従って、もう少し説明を加えます。

てんかんという病気は、診断が非常に難しいこともあります(たとえば【1757】)。しかし典型的なケースでは診断はかなり容易で、検査などするまでもなく、症状を具体的にご報告いただければそれだけで診断できることも多いものです。この【1537】はその「かなり容易」なケースにあたります。症状がてんかん発作として典型的だからです。したがって、あなたが受診された心療内科医の説明、すなわち、

診察中にてんかんの話を少ししてみたところ(こちらのHPの話はしていませんが)「側頭葉てんかん」という病気の症状を覚え違いをしていたのか、「側頭葉てんかんは急に倒れたり、てんかんの中で一番ひどい症状のやつでしょ?あなたはあてはまらない」と言われたり、

この説明が本当にこの通りなされたのであれば、その医師はかなり程度の低い医師であると言わざるを得ません。

また、次に受診された神経内科医の説明、すなわち、

近所の個人でやっている神経内科に行ってみたところ、素人の私にはよく分からないのですがMRIや脳波検査ではない検査をされ、結果「パニック障害と診断され病院に通っているならパニック障害で間違いないのではないか」と言われてしまい、

この説明が本当にこの通りなされたのであれば、その医師はかなり無責任な医師であると言わざるを得ません。また、【1537】の症状を聞いて脳波検査を行わないというのは非常識な診療と言わざるを得ません。

 【1758】の質問者の方には、せっかく症状が良くなり喜んでおられるところに、このような思い出したくない事実を呈示されて不愉快であるとは思いますが、良い事実も悪い事実もすべて呈示するという本サイトの方針に沿ったものであるとご理解ください。




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