精神科Q&A
【2322】うつ病は回復しているのですが、趣味の読書ができません
Q: いつもHPを訪問させていただいております。その度に、新たな発見や希望が見つかり、非常に感謝しております 私は34歳既婚子供無しの地方公務員(技術)の女です。24歳で、非常な激務に就き、主治医のお話ではこれが大きな誘因となって、うつ病を発病いたしました。不眠、のどのつまり、希死念慮、自傷などがありました 当時の私にはうつ病というものの存在は知っておりましたし、気持ちの問題で何とかなるものでもないとも知っておりました。 病前の几帳面・真面目・融通がきかない・正義感が強すぎると言った性格上、発病を自覚しておりましたが、「精神科」に対する「世間」の偏見が恐ろしく、受診までに時間を要してしまいました。 また、ようやく受診いたしましても、薬さえ飲んでいれば治ると間違った判断をしてしまい、全く休息を取りませんでした。それどころか、勤務はますます激務となり、主治医から処方される薬はどんどん増え、主治医から、これ以上はもう増やせないと言われてしまいました。 当時の処方はうろ覚えですが、ベタマック50mg-3/day、セパゾン2mg-3/day、ジアゾセパム2mg-3/day、トリプタノール20mg-3/day、アモキサン25mg×2-3/day、パキシル20mg-2/day、ロヒプノール2mg×2/dayだったと思います。それから、休職を経て、ようやく回復の兆しが見え、薬も減りました現在の処方は、セパゾン1mg-3/day、トリプタノール10mg-3/day、アモキサン25mg-2/day、パキシル10mg-1/day、ロヒプノール1mg/dayとなっております。 仕事に対する意欲も、病前のように強迫的ではなく、良い意味で適度に手を休めながらこなしております。 理由無しで落ち込むことも、希死念慮も無く、毎日をおだやかに過ごしております。 ただ、病中も専門書は読めたのですが、趣味の本が全く読めません。私は読書をこよなく愛する者で、5千冊の本を所有しております。コミックはなんとか読めるのですが、展開がシビアだと読めません。病前は一日文庫本を2〜3冊読むことも日常でした。読めない本はありませんでした。 これは病気が寛解すれば、元に戻るのでしょうか? それとも障害として一生残ってしまうのでしょうか?
林: まず、診断はうつ病で間違いないでしょう。ここまで曲折があったようですが、現在は治療が奏功し、回復に向かっていることも間違いないでしょう。うつ病の症状の回復には原則として順序があり、物事への興味や意欲の回復は、他の症状の回復に比べて遅れるのが普通です。したがって、この【2321】のケースでも、今後さらに回復することが期待できます。
それとも障害として一生残ってしまうのでしょうか?
そのような心配は不要です。
(2012.11.5.)