精神科Q&A

【1604】覚醒剤をやめる気がない夫


Q: 覚醒剤について調べている最中に林先生のホームページにたどり着きました。
藁にもすがりたい気持ちで色々調べていましたが、答えが見つからず先生にご相談しようとメールしました。

主人のことなのですが、何年も前から私に隠れて覚醒剤を使用しています。
炙りのようで隠れて使用しているところを何回も見付け、その度に私には毎回やめると謝るのですが、その後も続けているようです。
仕事も続かず、薬を買わないようにお金も持たせないようにしていましたが借金して買っていたようです。
なんとか立ち直らせようと病院の診療を何度も勧めてきましたが、本人にやめる気持ちが見られずどうして良いか分からなくなっていました。

しかし去年腫瘍が見付かり大手術をし、半年の治療を経て社会復帰もしました。
なんとか自分の過去の過ちを認め前向きに生きてくれるかと思っていたのですが、相変わらず覚醒剤に手を出していました。
仕事はパソコン関係なのですが、電磁波が頭に影響して恐怖を感じると言い仕事に行かずクビになってしまいました。

手術後、病院にも行かず、病院の先生からも他の病院に行ってくださいと言われてしまい
本当に情けなくて仕方ないです。
主人の腫瘍は放って置けば再発し、そうなると10年も生きることは出来ません。
本人もそのことは知っています。

私も本人には立ち直って人生を全うして生きてもらいたいと話し合いましたが、その気持ちは何度も裏切られ嘘で固められてきました。
仕事をしていない今、家では寝ているかお腹がすいたときに起きるくらいです。
私が仕事に行っている間は出かけているかもしれませんが。
私が過去に共依存となってしまっていたのも今となっては後悔しきれません。

私の中ではもうどうしたら良いのか分かりません。
本人に薬をやめたいという意志は今だ見られません。

病院の先生には覚醒剤の話はしていませんが、今の状態をお話したところ病気から来るものではなく、もしかしたら統合失調症かもしれないと言われました。

私も心身共に疲れてしまいました。
離れたほうが本人のためなのか、他に何か出来ることがあるのか自分でもよく分かりません。

主人を助けたいという情はありますが、もう別れたいと言うのが本音でもあります。

別れたいと本人に言うと『死にたい、自分は周りに迷惑ばかりかけていて生きる資格がない』と言いコンセントなど引っ張りだし錯乱状態になります。
手を出されたことは今まで一度もありませんが、そうゆう状態のときは何かされるのではないかと恐怖を感じます。

主人は39歳、私は30歳です。
本人が言うには30歳の頃から覚醒剤を使用しているとのことです。

長くなってしまいましたが、今私に出来ることは何かあるのか助言して頂きたく思いま
す。


林: 覚醒剤の精神病では、覚醒剤をやめる以外に回復の方法はありません。そして本人に覚醒剤をやめる意志がなければ、回復は期待できず、何の希望もありません。

その事態を変えるにはどうするか。そのためにあなたが藁にもすがりたいという気持ちはよく理解できます。
けれども、あなたの行動は矛盾しています。

病院の先生には覚醒剤の話はしていませんが、今の状態をお話したところ病気から来るものではなく、もしかしたら統合失調症かもしれないと言われました。

治療してくださる病院の医師に覚醒剤のことを話さず、私のようなネット上で答えるだけで何ら具体的に助ける手段を持たない者に相談するというのは、全く不合理なことです。このような不合理で矛盾した行動をおとりになっているようでは、ますます希望はないと言わざるを得ません。

私も心身共に疲れてしまいました。

この状況には同情申し上げます。しかし、私の同情もまた、あなたにとって何の助けにもなりませんし、あなたはただ疲れたといっているだけでは、何の進展もありません。今はただ破滅に向かって進んでいるのは明らかです。

今私に出来ることは何かあるのか

ないかもしれません。
あるかもしれません。
【1603】【1101】もご参照ください。


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