精神科Q&A
【1517】躁うつ病はいつまで服薬が必要か
Q:
40歳の主婦です。25歳のときに鬱で発症し、半年間精神科にかかっていました。それでいったんよくなって教師の仕事もしていたのですが31歳のときに再び鬱になり、同じ病院にかかり、冬休みには2週間入院もしましたがよくなりませんでした。冬休み後休職する為に大学病院に転院し、3ヶ月ほど「遷延性のうつ病」ということで通院していたのですが復帰直前に自殺未遂をはかり、大学病院は満床ということで現在の公立総合病院に転院して8年になります。X年の夏までは「うつ病」の診断だったのですが、浪費、多弁多動などの症状が、いま思い返せばありました。X+10年の8月に病院の外来で大暴れし、それからパキシルが処方から消えてリーマスやロドピンを飲むようになりました。このころ、「躁うつ病」と言われました。 この8年で何度か医師の転勤があり、今の主治医は2年目なのですが、去年の春に「この病気は一生薬を飲まなくてはならないのですか?」と聞くと「そんなことない」と否定されました。が、去年の10月に再び自殺未遂をはかり3ヶ月入院し、そのときに「一生治療は必要。1ヶ月に1度か2度、できたら2ヶ月に1度の通院と服薬で今の生活を送っていければ」と言われました。 もともとラピッドサイクラーだったのですが、今年になってからデパケン、リスパダール、ロドピンなどを飲んで少し落ち着いています。入院もしていません。やはりこのまま通院を続けるべきなのでしょうか?
林: どの病気でも、いったん症状が回復すれば、次の大きな問題は、薬をいつまで続けるべきかということになります。躁うつ病は、基本的にはきれいに治る病気ですので、その時点でこの問題がほぼいつもクローズアップされてきます。その答えは、躁うつ病 患者・家族を支えた実例集 にお書きしたとおりで、躁病相またはうつ病相の内容によります。つまり、どちらか(または両方)の病相が、一定以上に重篤なもので、ひとたび再発すると重大な結果になりやすい(たとえば、ほぼ毎回入院するなど)場合は、一生薬を飲み続けるべきでしょう。なおこの【1517】はラピッドサイクラーとのこと、これは上記の本のケース27にもお書きしたとおり、治療は簡単ではありませんので、現在落ち着いているとすれば、ぜひこのままの治療を続けることをお勧めします。
その後の経過(2010.2.5.)