精神科Q&A

【1426】躁うつ病に薬は必要ないと主治医に言われた


Q: 30歳女です。 10代の頃から精神的な浮き沈みがはげしく、カウンセリングに通い、高校3年から大学1年までは両親に精神科に通院させられました。その時告知されませんでしたが、双極性障害 (躁うつ病) だったそうです。28歳のとき、会社で躁転し、10代の時に通院していた医師のもとにいったら告知されました。大学1年から28歳までは通院もせず、薬も服用していませんでしたが、普通の生活をおくっていました。 再発してから、2年たちますが、躁とうつをくりかえし、中肉中背だったのに体重が10キロ減少。現在は躁うつ混合状態といわれています。医師は「双極性障害をふくむ気分障害はきれいになおる」といい「リーマスやデパケンRなどの気分安定剤が必要と本で読んだのですが」と質問したら、「それは嘘。主流はきれいに治って、薬も必要なくなるのが精神医学会での本流」といい、機嫌をそこねられてしまいました。 自分なりに病気のことを理解しようと手に入る本を読み、インターネットで調べていたのですが、そうした素人判断がお気に召さなかったようです。 ただ、主治医にそういわれても、実際自分が再発しているし、ネットでも5年から15年薬を服用してなかったのに再発した、という文章を沢山目にしてきたため、主治医の主張する言葉の根拠なりデータなりないと信じられません。 会社は2回目の休職をしており、クビの可能性もあります。なんとしても復職したいので、働けるようになりたいのですが、いまの主治医のままでいいのかとても悩んでいます。 どうかご意見をお願いします。


林: 
「リーマスやデパケンRなどの気分安定剤が必要と本で読んだのですが」と質問したら、「それは嘘。主流はきれいに治って、薬も必要なくなるのが精神医学会での本流」といい、機嫌をそこねられてしまいました。

この医師の説明は誤りです。
「双極性障害(躁うつ病)はきれいに治る」というのは、基本的には正しいですが、薬を飲まなければ再発のおそれが強いのもまた事実です。
かといって、再発防止のために必ず一生薬を飲まなければいけないかというと、そうとも言い切れず、現実には薬をどうするかはいろいろな要因を考えなければなりません。けれども少なくとも

薬も必要なくなるのが精神医学会での本流

という説明はでたらめも甚だしいものです。この医師の治療を受け続けることは勧められません。病院をかえたほうがいいでしょう。

 

その後の経過(2009.9.5.)


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