精神科Q&A
【1195】高3なのですが、勉強が手につかなくなりました
Q:
深刻に悩んでいるので、今回相談しに参りました。私は高校3年生の女性です。
受験を控えて勉強に専念する日々を送っていたのですが、少し前から全身倦怠感を覚え、勉強がなかなか手につかなくなりました。
気づいたら、何もしたくなくなっていました。テレビを見るのも音楽を聞くのも億劫で、何もできず、休みの日は一日中寝て過ごすほかありませんでした。
学校のある日になっても、人に会うのが無性に嫌で行けませんでした。なんとか学校の前まで行くものの、動悸がしたりして入れませんでした。そんな日は学校には「風邪で休みます」と連絡を入れそのまま人気のない公園でぼーっと一日を過ごし、下校時刻を見計らって家に帰りました。だから親は学校を頻繁に休んでいることは知りません。言えませんでした。
もともと自身の感情を表に出さない性格の私は、怒っていても悲しくても笑っていました。笑っていれば、誰も困らないからです。私が怒っていたら誰かが嫌な気持ちになるかもしれないし、悲しい顔をしていたらみんなのテンションまで下げてしまいます。私は他人の笑顔が好きなので、「自分の気持ちを押し殺しても、みんなには笑っていてほしい。」という一心でいつも笑顔で、冗談を言ったりバカをしてみんなを盛り上げていました。だから、みんなにはきっと「明るくて陽気な人」と思われています。そう思うと、胸のうちを友達に明かすことはできませんでした。印象が変わるのが嫌でした。
家族にいたっても同じです。私は兄弟の一番上なので、親に甘えたり、弱音を吐いたり、泣いたりすることはできませんでした。親の前でも「明るくて能天気」な子供でいました。だからいろいろ言いづらく、「気分が落ち込んで学校に行きたくない」ということは言えませんでした。
そのうち、夜になると泣くようになりました。以前は痛くても辛くても耐え抜き、泣くことなんてあり得なかったのに。理由は「親に嘘を重ねて学校を休んで…私は最低だ」と思ったり、何故だか寂しくなったり、受験があるのにこうして何もできない自分を「どうしてできないんだ」と責めたり、様々でした。訳もないのに涙が出てくることもありました。
布団に入って寝るときは毎晩腫れた目のまま、「寝てる間に呼吸が止まってほしい」と願いました。寝たら寝たで悪夢を見て泣きながら夜中目を覚ましたりと、とにかく泣いてばかりでした。
そんな日々が続いていたにも関わらず、私は未だ誰にも言えていません。症状が出てからいくらかたった日に、私は母にほのめかしたことがあったのですが…。そのときの会話母「最近なかなか勉強にとりかからないわね、だれてるんじゃないの」
私「なんか最近できないの、気持ちが沈んで…やっても頭に入らないし、続けられないし」
すると母からは「あんたうつ病なの?でもそんなのになってる暇ないでしょ。センターまであと2ヶ月じゃないの、頑張りなさい、只のスランプよ」と言われました。
自分が「うつ病かもしれないなぁ」と疑いはじめてはいたものの確信はあるはずがないので、それ以降は「これはなんでもなくて、ただのスランプなのかも、か…」と思うと相談しずらく、母にはもうそういう話を切り出せなくなりました。
それでも辛さは相変わらずでまたしんどくなってきたので、今度は「父なら…」と思いました。その矢先、父が参考書を買ってきたのです。父はお金がない人なのにこれまでも数学が苦手な私の為に何度も「これはネットで評判のいい参考書だそうだ」「これを読みなさい」とお金をはたいて買ってきてくれました。「受かってほしい」という気持ちが嬉しくもありましたが、反面辛かったです。私は父の好意に応えることができなかったからです。「こんなに応援してくれてるのに…お父さん、お母さん、本当にごめんなさい、駄目な娘でごめんなさい…」と申し訳なくなり、何度も泣きました。
「実は勉強できなくなった」などと言って父の期待を裏切りたくないので私は父に言うのも諦めました。
誰も話せる人がいなく、日に日に泣く時間や消えたいと思ったりすることが多くなり、苦しいので、ネットに頼ることにしました。ネットの診断をたくさんやりました。重度のうつ病だとかパニック障害だとか依存性人格障害だとか否定的自己認知が強いだの…いろいろな結果をもらいました。ほとんどのサイトに「即刻医者に行け」と言われました。でも、親がうつ病などの精神疾患に対する理解を持たず偏見があることを知っているので言えず、かといって自分では診察料も払えないので行くことができません。また、学校の方も期末テストや本格的なセンターの対策演習があるので抜けられそうにありません。今でさえ勉強できていない焦りがあるのに、これ以上休んで遅れを取れば、余計焦りが出ることになります。この不安定な状況で、なんとしてもそれだけは避けたい…。これ以上負担になることが増えれば、気が狂い私は壊れてしまう気がします。
そんなときにこのサイトを見つけました。私にとっては唯一の救いのように思えます。とにかく良いことであれ悪いことであれ、「事実」がほしいです。(文書から読み取れない部分も多いことは存じておりますが。) チェック式のネット診断の結果だけでは親に再び告げる勇気も出ないので…。
長い文書になってすみませんでした。もしよろしければ、アンサーお願いします。
(支離滅裂ですいません。所詮今時の高校生の文章なのでよくわからない部分や、曖昧なところもあるでしょうが、許してください。)
林: うつ病の可能性は高いと思います。精神科を受診すべきです。治療を受ければ今の症状は治ると思います。
もっとも、それが難しいからこそこうしてメールを書いておられるというのはよくわかります。しかし、事実は事実です。精神科の受診が今のあなたにとって最善の方法です。
もしすぐにはそれが困難ということであれば、次善の手段としては、誰か相談できる人をみつけることだと思います。学校の先生でも、友達でも、スクールカウンセラーでもいいでしょう。
けれどもおそらくあなたにとっては、そういった人たちに本当の気持ちを話すのは難しく、むしろ全くの他人の精神科医に相談するほうがやはり優ると思います。
あなたがうつ病の可能性が高いという判断は、メールに書かれている経過と症状です。そしてやっと決心してお母様にお話したのに、
すると母からは「あんたうつ病なの?でもそんなのになってる暇ないでしょ。センターまであと2ヶ月じゃないの、頑張りなさい、只のスランプよ」と言われました。
という結果になり、失望されたこととお察しします。このお母様の言葉からは、お母様が、うつ病と擬態うつ病の区別がついていないことが読み取れます。うつ病は病気であって、「なってる暇」があるとかないとかいう次元のものではありません。治療せずにいれば最悪の場合【0519】のような結果もあり得る、重大な病気です。未成年のあなたが精神科を受診するためには、ご両親の理解が必須ですので、うつ病についての正しい知識を、もし私のサイトがお役に立てるのなら最大限に利用し、ご両親にお伝えください。うつ病は治ります。しかし治療しなければ経過は悲惨なものになり得る病気です。