精神科Q&A

【1065】半年の治療で、うつ病が治ったと主治医から言われました(【0536】のその後)


Q3年前に、【0536】うつ病ですが、産業医に会いたくないのです で回答をいただいた、30歳(当時)の女性です。大変遅くなりましたが、なんとか回復してきたので、報告させていただきます。

【0536】の先生の回答に勇気付けられ、理解ある上司(前述の課長以外)と、産業医ではない、健康診断の担当の内科医の協力などのおかげで、思い切って3ヶ月ほど休職しました。
ただし、産業医面談を受けなくてすむよう、休職期間を短く切って、時々仕事をしないで形式的な出社をして、長期で休んでいないように工作しました。

そのかいあって、うつ病と診断されて半年で、主治医から、うつ病は治ったと言われました。

薬も順調に減らしていき、昔のようにやる気も出て、食べ物の味も分かるようになり、うつ病と言われていたときとは明らかに違うと自分でもわかります。

ただ、交通事故、親の急病、住んでいたアパートが壊れて引越しなど、ストレスの多い状態が続いていたため、引き続き病院には通っていました。

ところが、心の回復に体が全くついていかず、異常に疲れて、食事の最中に寝てしまったり、一日中寝てしまったり、微熱が続いたり、頭痛・耳鳴り・嘔吐・からだの痺れに悩まされました。

もしかして、まだうつ病が回復していないのかと主治医に相談しましたが、精神的な異常とは考えにくいので、きちんと検査ができる内科に行くようにと勧められました。
しかし、内科では、精神科にかかっている。というだけであまり真面目に診察してもらえないことが多いようです。
大学病院の心療内科で、診察もしないで、「抗うつ薬さえ飲んでいれば、すべて治ります。」と帰されたこともありました。

精神科→内科→精神科→内科→精神科・・・
と1年以上ドクターショッピングを繰り返し、先日脳神経外科で、鉄分欠乏性貧血と診断されました。
あまり詳しいことはわからないのですが、ヘモグロビン値は正常なので一般内科では見過ごされてしまうけれど、フェリチンの値が正常値の4分の1程度で、多分、内科で自律神経失調といわれていた症状は、貧血によるものでは。ということでした。今は、鉄剤を飲んでいます。

血液検査の値を、精神科の主治医に見ていただいた結果も、確かに、これまでの不調は貧血による酸欠と思われるので、現在まで、メイラックスと、ワイパックス、頓服で睡眠薬を飲んでいましたが、鉄剤で効果が出れば、もっと薬を減らせるかもということでした。

つくづく、精神科の主治医がよい先生でよかったと感謝しています。
決してやさしい先生ではないのですが、
「もううつ病ではないし、あなたなら大丈夫だから頑張りなさい。」
と言われたときは、本当にうれしかったです。

それから、林先生、休職を勧めてくださいまして、ありがとうございました。
実は同僚の中に、休職できなくて自殺してしまった人が二人もいるのです。私も危ないところでした。

ありがとうございました。


林: かなりご苦労された様子ですが、最終的には完治までたどりつくことができ、本当によかったと思います。
 【0536】にお書きしたとおり、あなたの会社の産業医は実にひどい医者であったようですが、その後にかかられた医師がそれぞれ良い先生であったことが幸運でした。あなたのフェリチンの低下を発見した脳神経外科の先生も名医の範疇にはいると思います。あなたの症状からこのような可能性を考え診断に至るのは、なかなか出来ないことです。私だったらとうてい発見できなかったでしょう。さらに、精神科の主治医も良い先生だったようで、この二人の先生に出会えたことで、ひどい産業医にあたってしまった不運は解消されたといっていいでしょう。
 良い医者とは、病気を治す医者のことです。あなたが本当の患者ならにお書きしたとおりです。

つくづく、精神科の主治医がよい先生でよかったと感謝しています。
決してやさしい先生ではないのですが


やさしいかやさしくないかなど、どうでもいいことです。 


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