精神科Q&A
【1062】2回の追突事故後の症状はPTSDでしょうか
Q:
私は20代の女性です。
私はこの5年の間に2回追突事故にあっているのですが、今の症状は事故によるPTSDなのかどうかと思い、メールさせていただきます。
1回目の事故は5年前になります。この時はスピードもさほど出ておらず、後ろのドア1枚替えるだけで済み、たまたまバックミラーを見ていたのでぶつかる瞬間、体が構えたためムチウチにはならずにすみました。
1回目の事故後もしばらくは後ろが気になったりはしていたのですが、1年もすればすっかり後ろを気にせず運転できるようになりました。
2回目の事故は2年前になります。そのときはかなりのスピードで突っ込まれ、車は全損、私も怪我を負い半年ほど通院しました。
このときもたまたま後ろを見ており、ぶつかる瞬間を見ていました。
それからというもの、運転が非常に怖くてたまりません。通勤上、車に乗ることはやむをえないのですが、常に後ろばかり見ていて前が危いことがしばしばです。
見ないようにしようとしても、信号待ちなど停車するたび無意識に目がバックミラーを追ってしまいます。
車間距離をつめられると汗が出てきて、とたんに道を替えてしまいたくなります。
高速道路などは生きた心地がせず、渋滞にはまると恐ろしくて車から降りたくなってしまいます。
このような感じで、毎日がつらいです。
何か改善されるような薬はあるのでしょうか?
あるなら医者にかかりたいとも思いますが、こんなことで医者に行っていいのかとも思い、悩んでいます。
林: 命にかかわる事故を体験され、今のあなたの症状はその事故が原因であることはほぼ疑いありませんので、PTSDの可能性はあると思います。ただし、PTSDの場合は、診断基準を厳密に満たすことが必要ですので(そうしないと、非常に多くのケースがPTSDということになってしまいます。【1034】などもご参照ください)、はたしてこの【1063】のケースがPTSDと診断できるかどうかは何ともいえません。
けれども、症状形成のメカニズムはPTSDと同じと考えられますので、精神科を受診し、PTSDに準じた治療を受けることで、改善が期待できると思います。