精神科Q&A
【0897】アスペルガーの可能性が強いと診断されました(【0805】のその後)
Q: 【0805】では回答頂き、ありがとうございました。
HP上で答えていただける確信が無かったため、地元の育児相談に相談したり、かかりつけの小児科医にも、息子の成育歴(送ったメールのコピー)を持参して私だけで相談に行ったりしてみました。
そして、小児科医に「高機能自閉症、アスペルガー症候群の可能性がある」と言われ、同じ日に地元の育児相談コーナーからの返事で、連携している精神科医から「発達障害の可能性があるので、専門医を受診することを勧めます」と返事が来ました。奇しくも、どちらもHP上で返答頂いたのと同じ日です。
自分なりに、いろいろ調べて息子の障害を受け入れる心の準備をしていたつもりですが、同時に3箇所から同様の診断名を告げられると、さすがにショックを受けました。
正直に言うなら、障害名を告げられることで「私の躾のせいじゃない」と思いたかった部分があります。
障害の可能性を告げられ、改めて小児精神科医とも話をして「WISC-R」という検査を受けさせました。
言語性IQは116、動作性IQは96、全検査IQ108とのことでした。
とりあえず、それなりの社会性は身に付いており、充分に社会や学校生活に適応できるとのことです。
検査結果を見ての小児精神科医の説明によると、言語性IQと動作性IQの差が大きいこと。また一般の自閉症児は動作性IQが高いものだが、アスペルガー症候群の子どもは言語性IQが高いことが多いこと。
それぞれの発達に凸凹があること。母親(私)からの聞き取り内容・生育歴などから「アスペルガー症候群の可能性はあるが、症状は軽く、本人は日常生活に困っていないようだ。ボーダーライン上だと思われる。ただ家庭や学校での接し方は自閉症児に対する方法が良いだろう。本人の得意分野を伸ばすことが自信に繋がり、それが苦手な事にも挑戦しようとする意欲に繋がる。どんどん褒めて自信をつけさせて下さい」とのことでした。
今は発達障害への関心が強くなったためか、専門医の受診も1〜2ヶ月に1回が精一杯です。その中で私なりに勉強し、工夫しながら過ごしています。
私が意識して息子に解りやすく伝えるようにすると、本人も納得してできるようです。普通に呼びかけても反応がなかったり、すぐに気が逸れるときにはフルネームで呼ぶと気持ちがこちらに集中します。
食事の際の注意事項(肘をつかない・茶碗を持つ・食べながらジェスチャー付きの会話をしない等)は、今までは5分おきに口うるさく言い続けても治らなかったのが、食事前に「肘をつかずに食べるんだよね。
お茶碗を持って食べようね。オシャベリは良いけどジェスチャーはダメよ」と、先に約束してから食べさせると行儀良く食べられる日が続き、そのうち食事前に「どうやって食べるんだったっけ?」と確認すると、自分で「肘をつかない」などと、心の整理?をして、行儀良く食べられるようになりました。
ただ、何も言わず・確認せずに食べると、また元の木阿弥です。
本人へ告知はしていません(「中学生では自分の障害を受け入れられない」と専門医のアドバイスです)
またハッキリした診断名でもありません。本人が困っていないなら、診断名をつけなくても良いそうです。
同居している義父母は、昔気質なので、息子の障害?を受け入れられないと思います。「親の責任を棚上げしている」「○○家には今まで障害者はいなかった」「障害があったら就職も結婚も出来ない。他のきょうだいや親戚の縁談にも障りがある」などと言われる可能性が高いです。アルコールの入った義父だと息子本人の前で罵倒する可能性も高いです。
主人とは、いろいろ話し合っていますし、息子の障害?も受け入れてくれているのですが、遠く単身赴任中(あと10年くらいは続く予定)で帰宅時間も毎日遅いため、相談や話し合いが充分にはできません。
息子の(おそらく、アスペルガーであるがゆえの)言動や反応は、義父母には、とても気に障るようです。
夕食時は、特に義父のイライラオーラが見えるほどなのですが、義父の隣に座っている息子は全く無頓着で、さらに義父のイライラが募るようです。
また、私の最近の息子に対する接し方も、義母に「幼稚園児じゃあるまいし、年齢にあった躾をしないから、こうなるんだ」と注意され、食事前の約束事やフルネームで呼ぶことに対しても「学校の規則みたいで愛情が感じられない」と怒られてしまい、私のやり方を通すことが出来なくなってしまいました。(反発すると言い方に気を付けても「嫁の分際で、意見する気か!」と義父に怒鳴られます)
基本的に前向き思考で、怒られても「アドバイスしてもらった」と思うことができるハズの私ですが、気が付けば食欲が減退して体重が3キロ減り、義父母の大声を聞くと動悸がする・義父が吸うタバコの臭いで吐き気がする・円形脱毛ができる・熟睡できない・・・など、ストレスが原因と思われる症状がみられ始めました。
家を出ることも考えたのですが、転校は避けたい(今まで転校の度にいじめられてきた)、義母が体調を崩し私が家事全般をしなければならない(義父は何もしない)ため、なんとかガマンを続けてきました。
そのうち脱毛が広がりだし、様々な症状も悪化してきて、心療内科を受診したところ「ストレスが原因なのは明らかです。ストレスを回避する(同居解消)するのが一番ですが、話を聞く限り、それは難しそうですね」と言われました(はっきりした診断名は告げられていません)
義母が体調を崩したため辞めた仕事が、今まではストレス発散(気持ちの切替え)にもなっていたようです。
最近は義母の体調も少しずつ良くなり、子ども達の夏休み明けくらいには仕事に復帰できる予定ですが、それまではストレスが続くため、精神安定剤(セルシン2ミリ錠)を処方されました。1日3回(1回1錠)を限度とし、ストレスを感じたとき・ストレスを感じると予測されるときに飲むよう指示されました。
私が心療内科に通っていることを、主人は知っていますが義父母は知りません。言えば「私達は言いたいことの半分も言ってないのに、ストレスで病気になったなんて言いがかりだ。失礼だ」と怒られるのは明らかです。
朝食は義父母と食べる時間帯が違い、私は食事の用意をするだけなので、朝は薬を飲まずに済んでいます。
昼食準備前と夕食準備前には必ず飲むようにしていますが、うっかり飲み忘れたときは義父の咳払いなどに飛び上がるほど驚いたり、動悸や胃痛がするために飲み忘れに気づき、慌てて薬を飲んでいます。
薬を飲んでいると義父母の大声も遠くに聞こえる感じで気にならず、気持ちも安定して体調も良いのですが飲み忘れたときの反応を思うと、このままでは薬に依存してしまうのでは?だんだん効かなくなって、強い薬を飲まないとならないのではないか?と心配になることがあります。
とりあえず、義母がすっかり元気になったら、主人を交えて食事を別々にする話し合いをする予定です。
食事を分けられれば(使っていないだけで、いちおうキッチンは2箇所ある)ストレスは半減すると思いますが「不経済だ」と大反対される可能性もあります。
すみません、自分の話ばかりになってしまいました。話を戻します。
息子は中2になりました。時々、盗み食いをすることがありますが「なんでガマンできずに食べちゃうのかな?いつもガマンできないの?ガマンできることもあるの?ガマンできるときと、できないときの違いは何かな?」と聞いてみたところ「ストレスが溜まってるとガマンできないような気がする」と言っていました。
ただ、自分のストレスを自覚してる時(主に学校でのトラブル)と、自覚の無いストレス(家族の中のこと)があるようで、自覚が無いストレスが溜まっている時にも、つい盗み食いしてしまうようです。
息子の様子に今まで以上に気を配るうちに、少しずつですが盗み食いは減ってきています。
今はクラスに同じ部(天文部)の気の合う友達いて、休憩時間を一緒に過ごすなど、学校生活はとても楽しいそうです。
先日は市中総体のため3時間授業でした。「3時間、勉強じゃなくてビデオを観る」と聞いていたので、「進学関係のビデオかな?」と思いつつも「スターウォーズのビデオだったら、いいのにね」と冗談を言ったら「スターウォーズのビデオは1本当たり○分、学校の授業時間に合わせるには中途半端だから、たぶんそれは有り得ないと思うよ」と大まじめに答えられてしまいました。
今までは、このような反応を「天然ボケで面白い子やな〜」と、つい面白がって、それに対して怒ったり、言い直しをさせたり、勘違いを確認させることは無かったのですが、今回は「たぶんこれがアスペルガー症候群の子どもの反応なんだな」と思い、私が冗談のつもりで言ったことを伝えると、とても驚いてました。
「お笑いの世界では、完全にボケ役やな」と思いつつ、これからも息子の素直な心・偏見を持たない心を大切にし、息子独自の世界を尊重しながら、接していきたいと思います。
先生から「あなたの躾の問題ではありません」とハッキリ言っていただけたこと、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
林: 経過のご報告ありがとうございました。
適切な診断とアドバイスをいただけて、なによりと思います。
子どもの症状は、それがどんなものであっても、母親の躾のせいにされることはしばしばあるものです。それは多くの場合まったく根拠がないのですが、母親としては深く悩まれることが多いものです。
ですから、
自分なりに、いろいろ調べて息子の障害を受け入れる心の準備をしていたつもりですが、同時に3箇所から同様の診断名を告げられると、さすがにショックを受けました。
正直に言うなら、障害名を告げられることで「私の躾のせいじゃない」と思いたかった部分があります。
このようなあなたの反応はごく一般的なものです。
診断名を告げられてからのあなたの対応はきわめて適切だと思います。今後もいわれのない非難を受けるなどご苦労はあるかと思いますが、常に現実を見据えて、息子さんのためにもあなた自身のためにも、ひいては他の発達障害の方々のためにも、冷静な対処を続けられることを願っております。