精神科Q&A

【0794】息子は混乱期から回復してきました,さらにその後(【0686】【0693】のその後)


Q【0686】【0693】(アトピー性皮膚炎の悪化、さらには学校での対人関係がよくない、等で、躁鬱を繰り返して、ついに急に混乱状態となり、昨年4月より大学病院にて入院治療中の15歳の息子)のさらにその後の経過をご報告いたします。

4月より7月までは、かなり気分も戻り、以前と変わらない状態から急に混乱し、食事も出来ず、用便すらできない状態になり、拘束帯で1日中ベッドにいる状態が、約2週間おきに来るということの繰り返しでしたが、落ち着いているときの状態がかなり安定してきたことで、8月に、やっと昼間は部屋から出て、精神科病棟内のみですが、自由に出て、デイルームなどでテレビを見たり、他の患者さんとも接する生活になりました。

その後は、看護師,医師ともすごくいい関係を持ち、患者さんとも年齢や男女の区別なく、無邪気に、また気を配りながら接することができ、相当精神面での成長が見られるようになりました。
ただし、月に一回は一週間程度気分が昂揚して喋り続けたり、行動の制止に対して反発するという波がずっとあったのですが、月を追うごとに軽く、また自分でコントロールできる程度になって来ましたので、11月より、看護師同伴の外出も許可されました。

自宅の引越しを控え、どうしても今の家に別れを告げたいと主治医にもお願いし、状況を見て外泊も許され、自分の生まれた家、そして精神的に苦しい状況で過ごした場所に自分なりに区切りをつけ、昨年12月に新居に移りました。

クリスマス、年末年始に長期外泊で、すっかり新居も気に入り、学校へ復帰することにも意欲が出てきました。
ふと気がついてみると11月初めに数日軽い躁状態になって以来特に気分の波は見られなくなり、現在はまだ相当量の薬を飲んでいると言う点を除けば、ほとんど普通に行動し、会話もし、また判断や考え方も全くおかしなところは見られない状態になっています。

年末には学校の同級生とも面会で会うことができ、しっかりとした話し振りで、あのような混乱状態にいたのによくここまで回復したと家族としても驚きました。

また他の患者さんは息子より後に入院し、またすでに退院されたのですが、退院後も息子には色々話しをしてもらい救われたことへの感謝の内容の書かれた年賀状が届き、正月に外泊できてよかったことを喜んで下さる電話までかかってきたりして、本人自身、苦しかったけど、自分という物を探し続けてきた結果、そして今まで人との接触で引っ込みがちだったのを入院中に積極的にかえようとして、その結果が伴ってきたことをすごく自信にして、3学期中に1日か2日でも学校へ行けるようになりたいという決意をしました。

主治医団も彼の願いは理解しつつも、あくまで状態が安定してきたことで、2月に退院を目指して、年明けより少しずつ減薬に入りました。

相当な混乱期があるのに、言うことにある程度以上の理論性があったことや、時々にほぼ普通と変わらないような常態に戻ることで、主治医団は時間をかけ、慎重に経過を診ており、8月以来投薬も全く変更せず、一方で、チーフの主治医はかなり精神療法的なかかわりを息子と持ち、通常は過去の事柄と精神疾患の発病には1つの要因くらいにしか、考えないが、息子には顔面を中心にしたアトピーで、周りからは想像以上の苦しみがあったことを考慮した治療が行われてきた結果、今は入院前より、精神面でも成長していることがうかがえます。

普通なら退院して、家での生活に入ってもいいのだが、息子には減薬をする間は、病院で今しばらくいることを耐えるのも今後につながるだろうという主治医団の判断を、よく理解し、将来への夢や希望などを持ち、少しずつ病院で、勉強も始めています。

入院当初、親としてもどうなってしまうのかと全く絶望状態でした。
勿論、今後まだまだ普通の学校生活に戻るのには相当、時間もかかるのではないかと思いますが、自分の気分の波という病態をしっかり自覚し、何としても治したいという息子の思い、そしてそれを何とかしてやりたいという治療者と、検討を重ねた投薬、さらには、悲観するだけでなく、焦らず、じっくり見守ってやろうと親の方も変わって来たというこの3者がかみ合ってきたことが、今のいい状態につながっていることを痛感します。

これからも経過は書かせていただきますが、多分、私と同じようなことでご苦労されているご家族も少なくはないと思います。何らかの参考になればと願っています。


: 経過のご連絡をいただきありがとうございました。順調に改善に向っているご様子をお聞きし、大変嬉しく思います。

多分、私と同じようなことでご苦労されているご家族も少なくはないと思います。何らかの参考になればと願っています。

このように、私のサイト運営に最大のご協力をいただき、深く感謝しております。今後、ご子息の状態がさらに改善・安定されることを願っております。


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