精神科Q&A
【0693】息子は混乱期から回復してきました(【0686】のその後)
Q: 【0686】中学生の息子が精神科に入院し、診断がつかない状態です で相談させていただいた息子の父親です。
簡潔で明瞭なご回答をいただき、ありがとうございました。
診断がつかないことで、不安でしたが、先生の回答と主治医の見解が同じであることがわかり、また、その後主治医とも面会のたびに丁寧な説明を聞き、今はとにかく病名よりまず、息子が落ち着いて一日も早く家族の所へ帰って来ることができるようになることを目標に病院の医師,看護の方々と共に焦らず、ゆっくり見守って行こうという心境になっています。
メールを送りました時期より、状況が変わっていますので、ご参考までに報告させていただきます。
あのあと、混乱期の状態が改善し、まず食事は自分で摂れるようになり、さらに支離滅裂な言動が減ってきました。2週間くらいの周期で起こっていた混乱と落ち着きの時期は落ち着きの期間が長くなり混乱期が短く、また波の程度も弱くなっています。軽い混乱が一週間ほどありましたが、その時期ですら食事は勿論、差し入れのパンなども喜んで食べ、会話の疎通性も通常の3分の2程度保たれていました。
病院側は、この時期にようやく息子を、昼間は拘束を解き、部屋から出て、精神科病棟内のみ自由に過ごせるようにしてくれました。
テレビでオリンピックや高校野球を楽しみ、将来に対する希望や抱負なども語ると同時に、過去の治療で、苦しかったことなども割と淡々と話すようになり、ほとんど以前の通常の状態になりました。
元々頭の回転、記憶力は親が言うのもはばかるのですがかなり高く、あれほど混乱を繰り返したにもかかわらず入院前の細かい事さらには入院後起こったこと、外に出て,他の患者さんと接するようになり、個々の患者さんの名前,年齢はもとより、聞いた話のほぼ大半を覚えており、君はなぜ入院などしているのかと患者さんから聞かれるのだと言うことも出てきました。
また本人は元々神経質でこだわりの強い過敏な性格があると自分でもわかっており、それは少しずつ、自分でもコントロールできることは、部屋で閉じ込められていた時に一人で考えていて感じた、でもこれとは別に自分でもどうしてもコントロールできない感情の波があり、これさえなければいいのだけど、これは薬を飲むしか仕方がないかなということも言っており、親の目から見ても相当回復はしていると思います。
以前は言われたことを割と素直に聞き入れていましたが、意識がかなり普通に戻っているためか、まだ自由時間に好きな音楽を聞いたり本を読むことなど、まだ色々な制限を課せられること多いことに相当不満が出るようになり、2,3日前から気分が昂揚し、イライラや軽い興奮などが出て、また部屋で拘束されている状態です。年齢相応のわがままや幼さも見られるかなと親としては感じています。
主治医たちは外に出て、他の患者との接触はやはり、いい面、悪い面の両方があり、通常の社会と同じで、患者は時々で年齢層も性別も変わり、この一月ほどで、メンバーも変わっておりやはり相手によっては刺激になっている可能性もあるのと、ちょうど、時期が学校の新学期になっており、全くこの件には触れていないのだが、気持ちがしっかりしてくると、登校できないことはストレスになるだろうから今回の混乱も以前、全く何もなく寝ているだけの時期のものとは異なるからそう心配しないで見ていきましょう、と言ってくれています。
【0686】 の質問をした当初は、抗精神薬が相当量になっても落ち着くどころか、余計に意識の混濁がひどくなり、挙句はイレウス、高熱、飲食不能、尿閉など、強い副作用により、2回くらい生命を案じるほどの状態になり、そのつど投薬の中止でうそのように症状が収まる、しかし2週間ほどでまた混乱してきて抗精神病薬を相当量投与せざるを得ないということの繰り返しで、親としても本当に苦しい日々でしたが、今は今後,完全に息子が社会生活を送れるようになるかまだわからないにしても、本人の出きる範囲で、本人の満足の行く生活まで戻れることだけを祈っている次第です。
主治医の先生は息子には先生が考える医学常識とは異なる気持ちの固有のリズムのようなものがあり、将来、本格的に精神疾患に移行する可能性も否定できないが、ことによると薬剤は関係なく収まるかもしれないと言われていますが、世間一般の同世代の子を見ていても、病気とそうでないかの判断は難しいかと思います。
救いは、熱心な医師団と、優しく、暖かい雰囲気の看護の中で息子が治療を受けられていることかと思っています。
ありがとうございました。
林: 【0686】 の当初のご心配は、お察ししてもし切れないものだったと思います。症状が改善にむかわれたこと、そして良い病院の治療を受けられていること、何よりと思います。今後の経過はまだ予断を許さないと思いますが、過度に楽観的にも過度に悲観的にもならずに、冷静に治療を続けられることを願っております。経過のご連絡ありがとうございました。