精神科Q&A
【0759】カウンセリングとなるとムカムカするのですが、薬だけをもらうというわけにはいかないのでしょうか
Q: 25歳女性です。4年ほど前に境界型人格障害と診断されていました。
それから2年間ほど精神科にかかり、それから中途で2年近く通院を中止していました。
中止したのは、カウンセリングというものに対してなんか疑問を感じたからです。
あれは何の意味があるのでしょう?話してどうにかなるのでしょうか?
最近、強烈な不眠とか希死観念や自傷行為に自制がきかなくなって、どうしようもなく、結局2年ぶりに精神科に通う事になったのですが、やっぱりどうもカウンセリングというのが抵抗があって、聞いているだけで苛立ちが募ります。
医者との相性が悪いだけなんでしょうか?
でも、思った事を紙に書いたりするのや、医者にしても「うんうん」とか「うーん」 とか頷いたり考え込んだりしてるばっかりで、自分にはさっぱり分かりません。そんなので私の虚しさとか治るんでしょうか。それ以前に私はイメージを紙に書くとかそんなの出来ません。頭が真っ白で何か言われても答えられません。「わからない」しか答えられず、実はそんな私こそが不真面目なだけなんでしょうか?でも本当に、言われてる事が分からない(答えられない)んです。無理に考えようとしても苛立ちが激しくなるし。カウンセラーを信じろなんて言うけど、不信に見えてしまうものをどうやって信頼視できるんでしょうか。
病院へ行ったのは、このままでは死にそうな焦燥感とか、不眠とか、不安や虚しさを治まりさえすれば良くて、正直薬があってそれを飲んで、たとえ一時期、一瞬でも治まればそれで良いのですが、でもやっぱり、カウンセリングは必要なんでしょうか…。
薬だけ下さいなんてムシが良すぎる気もするけど、どうしても、カウンセリングとなるとムカムカしてしまいます。病院変えるにも、私の地域は精神科が少なくて、一番近いとこでも車で30分ぐらいかかるので難しいのです。
あと最後に少し疑問なのですが、林先生のHP内の境界型人格障害の症例に「直前までは尊敬の対象だった人を急に攻撃することもよくある」とありますが、私の場合、露骨に攻撃態度を示す事は少ないのですが自分のようなタイプというのもあり得るのでしょうか?
林: 薬に副作用があるのと同じように、カウンセリングにも副作用があります。また、薬が効かない症状があるのと同じように、カウンセリングの効果がない症状もあります。さらに言えば、カウンセリングだけで治療したほうがいいケースもあれば、薬だけで治療したほうがいいケースもあります。もうひとつ付け加えれば、薬だけで治療しているように見えて、実はカウンセリングも行っていることもあります。
というように、薬もカウンセリングのどちらも、ケースバイケースでプラスもマイナスもありうる治療です。したがって、
薬だけ下さいなんてムシが良すぎる気もするけど
必ずしもそうは言えません。薬だけのほうがいい場合もあります。あなたのケースは、もしかするとそうかもしれませんし、そうでないかもしれません。いずれにせよあなたの希望として、あなたから主治医の先生に、カウンセリングは受けたくないと申し出ていいと思います。ただし、もしそれが主治医の先生の考える適切な治療とは矛盾する場合は、結果についての責任はあなた自身が負う覚悟が必要ではありますが。
それから、
林先生のHP内の境界型人格障害の症例に「直前までは尊敬の対象だった人を急に攻撃することもよくある」とありますが、私の場合、露骨に攻撃態度を示す事は少ないのですが自分のようなタイプというのもあり得るのでしょうか?
もちろんあり得ます。境界型人格障害に限らず、症状として列記されているものが、すべてあてはまるケースというのはむしろ稀と言えるでしょう。