精神科Q&A

 【0757】アルコール依存症の後遺症か、うつ病か


Q:33歳男です。もともと不安神経症だったのを酒で紛らわせていたのでは、と主治医に言われました。飲めなかった酒を毎日飲んでいたら倒れました。救急病院に運ばれ検査した結果ガンマGTPが五千を超えていた上にミオパチーも発症していたので、集中治療室で治療した後、幻覚徘徊が、ひどいので精神科のある市立病院に通院するようになりました。診察を受けたところ酒さえ飲まなきゃ入院の必要は、無いとの事。禁酒を始めてしばらくすると、鬱の症状が出てきてしまい、酒を飲んでた頃の自分を責め、憎み、リストカットも繰り返しました。デプロメールは、ずっと服用していて、リスパダールからレキソタンそして現在はデプロメール、ニューレプチル、不眠もあるので、ロヒプノールも服用しています。治療を始めて、一年経ちますが、だるさ、疲れ、体の痛み、微熱、イライラが治まりません。主治医は、病名を聞くと言葉をにごします。僕の病名は、何でしょうか。又、治るのでしょうか。


: アルコール依存症であることは間違いないでしょう。
そして現在みられる「だるさ、疲れ、体の痛み、微熱、イライラ」が何であるかの判断のためには、まず肝機能などの身体的な問題がすべて回復しているかどうかの情報が必要です。これをまず第一にチェックしなければなりません。
仮に身体的問題がすべて回復しているとすると、うつ状態による症状ということになります。
だとすると、そのうつ状態の原因は何かということになります。実はあなたのように、

禁酒を始めてしばらくすると、鬱の症状が出てきてしまい、

というのは比較的よくあることです。この場合、あなたがうつ病とアルコール依存症の両方である可能性と、大量飲酒の影響で二次的にうつが出て来た可能性の両方がありえます。どちらであるかという決め手はなかなかないものです。ただ最も重要なことは、断酒を継続することです。断酒を継続しつつ、今のうつの治療も続ければ、回復が期待できます。万が一飲酒を再開すると、見通しは非常に暗いものになります。ぜひ断酒を継続してください。
なお、うつ病とアルコール依存症の問題については、うつ病の相談室のp.87〜もご参照ください。


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