精神科Q&A
【0736】事故の後遺症(痛み、痺れ、鬱、不眠)は、抗うつ薬で少しでも改善が可能でしょうか
Q: 私は35歳女性です。
6年ほど前に自転車から横転し、左首の後頭部付け根を金属突起物に強打する事故をしました。その後遺症で、頚椎5、6番が軽いヘルニアになってしまったようで、事故から2,3年たってから左首を中心に神経痛が走るようになり、その痛みはリンパ腺にそった感じで左首全体を覆い、年々ひどくなっております。昨年からは痛みが慢性なことに加え、左手・左足・左顔面にも痺れが走るようになりました。
この何年か、さまざまな病院の内科、整形外科(頚椎ヘルニアであることはつい最近訪問した整形外科のMRI検査でやっと分かりました)、脳神経科(筋肉弛緩注射を定期的にしてもらいましたがあまり効きませんでした)などに通いましたが、痛みの処置は無理でした。最近行った、MRIを撮った整形外科医師によると、首のヘルニアはとても小さいものらしくそれほどの痛みを起こすものではないと言われ、必要なら鎮痛剤をのんでしのぐしかないが、あなたの痛みはどちらかというと精神的なもの(痛い痛いと脳が思うこと)から来ていると思います、と言われました。
実際、痛みから逃れたくて処方された鎮痛剤や筋弛緩剤も飲みましたがあまり効きませんし、一生のみ続けるのは恐いような気がしてやめてしまい、今は左半身の慢性の痛みと痺れに耐えながら、仕事に通っている状態でとてもストレスが溜まっています。
加えて、痛みにいつも耐えているうちに、何に対しても意欲がなくなり大好きだったスポーツも止めてしまい、家事や仕事にもやる気がでなくなり、物事全般が億劫で、軽度の鬱状態が併発するようになりました。(例えばいつも虫歯の痛みに耐えているような・・そんな感じです)
夜は痛みのためか、殺されるとか、痛いとか、恐い夢をみては目覚めるため不眠になり、4年ほど前から寝る前にアモバン7.5mg半錠とデパス0.5mg1錠を飲んでおります。(これらを飲めば眠りには必ずつけ、朝起きてもだるさはありません)
まとめますと現在の悩みは、耐えかねる左首の痛み・手足の痺れの症状に加え、鬱、不眠など、痛みからくる全ての悪循環「連鎖反応」に苦しんでいることです。
【0600】慢性疼痛の再発予防のためには抗うつ薬を一生飲むべきでしょうか さんの内容を読んで、特に「・・その結果、慢性痛症候群、といわれ、怪我の痛みを、脳内の化学物質の変調で脳が覚えてしまっている状態、痛みや痺れなどは怪我そのものより、脳の異常から来る、ひとことで言えばあなたはうつ病です、といわれて治療が始まりました・・・」という部分にとても共感を覚えました。これは自分と同じではないか!?と思ったのです。
この痛み・痺れ・鬱症状・不眠の連鎖反応が、精神科の治療で少しでも改善するものであれば、是非前向きに治療したいと考えるものです。まだ人生先が長いようにも思え、今のままで耐えているのでは悔いの残る人生になってしまうような気がいたします。
精神科に伺い、何か薬を処方していただければ、改善の可能性があるものなのでしょうか?
林: 精神科的治療(主に薬物療法)で、あなたの症状が改善することは大いに期待できると思います。あなたのお読みになった【0600】の内容はほぼそのままあなたにあてはまると思います。ぜひ精神科を受診してください。