精神科Q&A
【0705】内科でうつ病の治療を受け、良くなりました 【0582】のその後)
Q: 【0582】内科医にうつ病の治療を受けているのですが、このままの治療でいいのでしょうか で母のことで回答をいただいた23歳女性です。
母がうつ病ではないかと思ってはいたものの、自分がいつも面倒を見てあげられるわけではない環境にいたものであまり強くも言えず、父に任せていましたが、先生にメールをしたあと、HPに母のことをUPして頂き、「うつ病です。専門医の受診を薦めます。」と書いてくださっていたことで自信になり父と話をし、うつ病の治療をした方がいいと思う、と話をしました。
父もインターネットや本などで母の症状にあてはまるものはないか色々と調べていたようで自分もそう思っていたと、私の意見に賛成してくれました。
しかし、当の母が専門病院への受診をひどく嫌がり、その頃何に対しても意志の決定ができなかった母がかかりつけの内科医の先生でないと嫌だとそれだけはハッキリ言うものですから先生にお願いしました。先生も分厚い本を引っ張り出してきての治療でした。
パキシル10mgを朝1錠内服するも食欲不振、体のだるさ、動悸・息切れがし、4日で中止。
アモキサン25mgを毎食後2錠内服、便秘になったためカマグも内服。
夜はハルシオン0.125mgを2錠内服を続けていました。
それからは副作用も便秘以外には見られず、意欲的ではないものの父が外出に誘うと拒否もせずついてくるといった状況が続いていました。
父は土日に必ずあまり人が多くない近場のドライブに誘っていたそうです。
それから、1週間、地元の高校が春の甲子園に出場することもあって甲子園が大好きな母は、病気になってから初めて「行ってみたい」と自分から口に出しました。やっぱり行かない」などと前日には言ったそうですが、父が無理やり連れていったそうです。
父や親戚、地元の方々の協力あって不穏になることもなく一試合時折大きな声を出したりして応援できたそうです。夜は、疲れが出たのかまた混乱状態になったそうですが、翌朝には落ち着いたようです。
その後、もう一回甲子園に応援に行き、応援を通じて、母も元気をもらったようで、階段を駆け足であがるかのように良くなっていきました。
もちろん精神的には波があり、家族とぶつかりあうこともあったようですが、むしろそれが本当の母で、ずっと我慢をしていたのかもしれません。
自分が混乱していた時のことをよく覚えており母が落ち着いてからはよく話をしました。
私の知らない色々な悩みを抱えており、初めて母の辛さを知りました。
考え方や心の持ちようについては、かかりつけの先生との面談に支えられるところは大きく、父や私の言うことは聴かなくても先生の言われることには耳を傾けることもありました。
先生は家族の内情をよくご存知だったので母の気持ちも家族の気持ちもふまえたお話をしてくださりとても助かりました。
お薬も少しずつ減らしていき、今はアモキサンを朝2錠と眠前のハルシオンのみ内服していて落ち着いています。
以前していた訪問ヘルパーも週に1回1時間のみ再開しました。母はもっとやりたいと言ったそうですが、父が今年いっぱいは週1回以上は駄目だと言ったそうです。でも、色々手を広げすぎると駄目だということは母も自覚しているようです。
お薬を始める、精神科を受診するということに対する知識の無さからくる抵抗・不安
自分の身内にうつ病になる人間がいるのか?という疑問
病気だと思いたくない気持ち
そんな気持ちに惑わされずに治療をして本当によかったと思っています。
すぐに合う薬に出会えたことも幸運だったと思いますし、周りの理解や協力も大きな力になったと思います。
そして、私や父の背中を後押ししてくださった林先生の一言。
「あなたのお母さんはうつ病です。」
本当にありがたいと思っています。
再発がないとは限りませんが、これからも母を見守り続けたいと思っています。
長々となりましたが、本当にお礼の気持ちでいっぱいでメールさせていただきました。
ありがとうございました。
林: あなたのおっしゃる通り、お母様がうつ病の治療を受けることができ、そして順調に回復してとても良かったと思います。専門以外の病気でも最善の努力をしてくださった、このかかりつけの内科の先生はホームドクターとして尊敬に値すると思います。今後、確かに再発がないとは限りません。慎重に見守っていかれることが大切でしょう。しかし、あなたをはじめとするご家族の協力があれば、万一再発しても回復は早いと思います。これからのご多幸を願っております。経過のご報告ありがとうございました。