精神科Q&A
【0669】55歳の母がだんだん変になり、今はでたらめなことばかり言っています
Q: 私は29歳の女性です。55歳の母の事で相談があります。
母は元々性格がデリケートで恥ずかしがりや(自意識過剰)な部分があります。私が小学生の時に一度自殺未遂をしております。
その際は、自律神経失調症とお医者様に診断をされて、病院に通院しておりました。私は小学生だった事もあり、何が原因かは未だにはっきりとは分かっておりません。
それから、病気も治り、普通の人と変わらない生活をしておりましたが、ここ2年程前から様子がおかしくなって来ました。
最初の頃は、毎日同じ食事ばかり作るという事でした。
そして、だんだん、一緒の食卓でご飯を食べなくなってきました。
私達に顔を向けず、背を向けて食事を取るのです。
一緒に食べようと声を掛けても空返事ばかりでした。そして次第にTVや新聞も読まなくなり、家事も洗濯以外はしなくなりました。
そして、とうとうある一つの部屋に引きこもる様になりました。
現在、父・母・私の3人で生活をしておりますが、私達と同じ空間にいるとビリビリして震えると言うのです。実際、近づいたり話しかけたりすると、体をゆらゆら揺らして、震えるから近づかないで!と大声を出します。
食事ももちろん、取りません。私達が出かけていて不在の時や、深夜にこっそり台所に行き、自分の料理を作って食べているようです。
冷蔵庫も引きこもっている部屋に、自分用の物を買い、父の食事などは全く作らず、同じ家に住んでいながら、全く別に暮らしているようです。
食生活もかなり乱れているようです。インスタントのものばかり食べているようで、身体の事も心配です。
最近は、身なりも構わず、髪の毛もボサボサで出かけます。
母に話しかけても、私は母の子ではないと言い、別の子供だとか、私には子宮がないから子供が生めないなど、でたらめな事を言います。
また、歴史上の人物や有名人の名前を言い、自分はその人物だとか訳の分からない事を話します。
後、母の両親は母が若い頃に亡くなっているのですが、まるで生きていて、自分の事を心配しているというような事や、母の田舎の頃の親類の話しを毎回同じ事ばかり繰り返し言います。
最近は、他人とは一緒に暮らせないので、旅に出ると言う事ばかり言います。
コミュニケーションを取ろうとしても、まともな会話が出来ません。
近づくだけで、息が苦しくなるなどと言われてしまいます。
一度、母に病院に言って、今の症状が良くなるように診てもらおうと話をしましたが病院にはすでに言ったと嘘をつきます。病識が全くないように思われます。
このままの状態だと、違う病気も引き起こしそうですし、家出もしないとは限りません。
また、新聞も読まず、世間のことにも無関心なので、普通の暮らしが出来ないのではないかと不安です。
父も私も何とか病院で治療を受けて欲しいと思っているのですが、本人に取りつくしまがありません。何か良い方法はないでしょうか。
母が一番つらいとは思いますが、話をしていて、支離滅裂な事ばかり言うので、私自身今、精神的につらく参ってしまいそうです。
林: お母様は統合失調症(精神分裂病)です。
私が小学生の時に一度自殺未遂をしております。
その際は、自律神経失調症とお医者様に診断をされて、病院に通院しておりました。
これはお母様が30代の頃ということになりますが、この時点ですでに統合失調症(精神分裂病)が発症していたのだと思います。
それから、病気も治り、普通の人と変わらない生活をしておりましたが、ここ2年程前から様子がおかしくなって来ました。
統合失調症(精神分裂病)では、このように薬なしでも非常に安定した状態が長く続くことがあります。このケースでは、20年の安定期を経て、再発したと考えられます。【0670】も似た経過です。再発はストレスがきっかけになることもありますが、何の原因もないようにみえることもあります。
そしてこれ以後のこととしてあなたが記載されている症状は、いずれも統合失調症(精神分裂病)の症状です。病院で治療を受ける以外に方法はありません。ご本人に病識が全くないようですので、病院につれていくのが大変だというのはよくわかります。しかし、それ以外には方法はありません。自殺のおそれもあると思います。それをよく認識されて、早く行動を起こしてください。このままでは危険です。【0632】などもご参照ください。