精神科Q&A
【0656】うつ病の主人の浮気について
Q: 私は30代女性です。主人は45歳、3年前からうつ病と診断され、自宅療養中です。
薬を飲みながら仕事もしましたが、1・2ヶ月でもたなくなり、ここ2年以上は無職です。その間、二人の子供を保育園に預け、私が働いていました。周りの人からは甘えているとか、いろいろ言われましたが私だけは主人を守るんだと必死でした。
主人は約一年前、他の病気の治療の為、5ヶ月ほど入院しました。規則正しい生活と、イヤでも誰かと話す機会があるのがよかったのか、うつのほうも劇的に軽くなりました。やはり、うつのひどいときにはまるで別人のようだったので、それがあまりにも長くなると、病気のせいなのか、それともこれがこの人の本性なのではと悩んでいたのです。すっかり明るくなり、退院したら・・とか治ったら仕事をしなきゃとか、そんな言葉が出るくらい回復した主人をみて、ここからまた始まるのだととても喜んでいました。
そこまでは良かったのですが、同じ精神科の友人達の中で、ある女性と個人的にかなり親しくなっていたのです。いわゆる浮気の関係です。本人がばかなのか、うつのせいで気が回らないのか、疑われるような証拠をたくさん残してくれるので、私は気がついてしまいました。本人はばれていないと思っていて、何かと嘘をついては出かけていきます。まだ本人に問い詰めたりしていませんが、相手も精神科にかかっている不安定な人なので、どこまでしていいものか、と悩んでいます。 主人とは、一度話をしました。女性の事に気がついているとは言ってませんが、私に嘘をつかないで、信頼できないと夫婦を続けていけないと、言いました。主人は、同じ病気の人といると、安らぐのだと私に言いました。二度と隠し事はしないとも言いました。でも変わらずうそをついて女性に会いに行っています。
私の中では、離婚を考えています。今まで必死でやっていたのはなんだったのか、もちろん主人の気持ちがわからないわけじゃない、でも私は主人が本当に好きでした。だから、どうしても許せないのです。私達から目をそむけて、一人で楽な方へ行ってるのが許せないし、にっこり笑って嘘をついてる、裏切られた気持ちは、どうしても許せない。今悩んでいるのは、うつ同士の人は、こんな風になりやすい傾向にあるのか?という事。たとえ病気のせいと言われても、許せない気持ちの方が強いですが・・・今、離婚話をもちだして、大丈夫なのか?という事です。いくらなんでも自殺とかされるのはイヤです。 私の中では、もう99%決まってる思いなだけに、うつの人に離婚話はできるものなのか、悪化させる可能性はないのか、お聞きしたかったのです。
林: これはひどい話です。99%離婚を決めておられるというのも理解できます。
けれども、いま離婚話を持ち出すかどうかは、あなた自身が決めてください。
うつの人に離婚話はできるものなのか
うつ病の症状がかなり残っている場合には、やはりどんな理由があれ、避けたほうがいいでしょう。離婚のような重大な話を持ち出すのは、症状が良くなるまで待つべきです。しかし、ご主人の場合はかなり回復しているようですので、これにはあたりません。また、浮気相手と密会を重ねることが出来ているという事実も、うつ病からは相当回復していると判断する根拠になります。
悪化させる可能性はないのか
悪化させる可能性はあります。しかし、この可能性は常にあるのです。どの時点なら離婚話を持ち出しても悪化させる可能性がないとは言えません。かなり良くなっていても、それをきっかけに再発する可能性はあります。それを覚悟のうえで、離婚話を持ち出すなら持ち出すべきでしょう。99%決まっているのなら、持ち出すしかないようにも思えます。
うつ同士の人は、こんな風になりやすい傾向にあるのか
「こんな風」が浮気という意味でしたら、決してそんなことはありません。ご主人と相手の方の問題です。うつ病とは関係ありません。