精神科Q&A

【0620】夫が毎月決まった時期にうつになります


Q: 主人は46歳、教員をしています。5年前に突然、仕事に行けなくなり、自殺を口走り布団から出てこない日が何日も続きました。仕事上での過労、自宅の新築、教え子の自殺などいろんなことが重なったためだと思います。

最初にうつ病を疑い、近くの心療内科を受診。しかしあまりにも過眠状態が続くので(1日16〜20時間眠り続けることが数日連続)、睡眠障害を疑うということで、大学病院に入院、検査をうけました。そして結果的に反復性うつ病と診断をうけ、現在に至っています。

その後も症状はやはり過眠(前日の22時頃からから翌日の14〜15時頃まで眠り続けること週に数日、時には4〜5日)、朝声をかけると返事はするもののもうろうとして起きるようすはなく、もうだめだとか、何もしたくないと言って、布団をかぶってしまいます。
起きていても身体はだるく、思考力は低下。徐々に回復してくると今度はイライラしてくるようで、何気ないことでよく怒りますが、やがて体調はもどります。それまでに短くて3,4日。長ければ7,8日間です。

こんなことが、2,3ヶ月に1回、そして最近は頻繁にまるで女性の月経周期のように毎月、大体決まった頃に起こってきます。
ですから、仕事は病休・休職の繰り返し。2年前に小規模の学校に変えていただきましたが、昨年度は40日間休み、さすがに本人は、もう治らないのではと思い、惨めで仕事を辞めたいと申しております。
休むたびに、皆さんにお詫びして、仕事も中途半端で、つらくなる気持ちは私にもよくわかります。
たとえ、一時的によくなっても、病気が治らない限り、サラリーマンは無理だと言い、いますぐにでも辞めてしまいたいようです。
妻として「そうしよう!」とも、まだがんばってとも言えず、「うん、うん、」と返事をするのが精一杯です。

病院は、診断をうけた大学病院の先生は事務的で、目をあわせて話をしてくれない方だったそうで、主人はいやがり、別の心療内科に変えました。今の先生は、仕事を辞めなくて済むように、色々考えてくださり、転勤にもご助力くださいました。

でも、病状が回復しません。難治性で、どんどんひどくなっていくものなのでしょうか。教えてください。

薬は以前はアモキサンを飲んでいました。しかし即効性のデパス0.5を調子が悪くなったら飲みなさいと言われ、寝込み出すたびに飲んでいたのですが、結局症状回復には1週間以上もかかることや、繰り返し繰り返し症状が出てくるので、先日やめましょうといわれました。睡眠導入剤ロヒプノールは効き目があるので飲んでいます。

薬の量が足りないのでしょうか。それとも薬が効かないタイプなのでしょうか。
これからどうしていけばよいのでしょうか。


: ご主人の診断はうつ病で間違いないでしょう。「反復性うつ病」というのは、繰り返しが一度でもあった場合(つまり、再発が一回でもあった場合)につける診断名ですので、うつ病であることに変わりはありません。

不眠ではなく過眠になっていることも、うつ病としてそれほど稀なことではありません。(もちろん、不眠になる方のほうが多いですが)

ただ、典型的とはいえないのは、ご主人のうつ病の周期です。

起きていても身体はだるく、思考力は低下。徐々に回復してくると今度はイライラしてくるようで、何気ないことでよく怒りますが、やがて体調はもどります。それまでに短くて3,4日。長ければ7,8日間です。
こんなことが、2,3ヶ月に1回、そして最近は頻繁にまるで女性の月経周期のように毎月、大体決まった頃に起こってきます。


うつ病の症状が周期的にくる場合は、もっと長い周期のほうが普通です。このケースのように、3日から8日程度の病相が毎月、しかもほぼ決まった時期にくるというのは、あまり見られないことです。そして、このような形ですと、職場復帰の時期について非常にお悩みになるのはよくわかります。

このような場合は、やはり一度はまとまった期間お休みになり、徹底的に薬物療法を行うのが最善だと思います。入院したほうがいいかもしれません。そのほうが、薬の調整が細かくできるからです。

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