精神科Q&A

【0604】うつ病の回復に、家族の理解が得られません(【0506】の続き)


Q【0506】判断力低下も、うつ病の症状でしょうかの質問でお世話になりました、30代女性です。
先生の回答をいただいて自分が病院を変えたことを間違っていなかったことや、はっきりと鬱の症状のひとつであると言っていただいて気分的に楽になりました。
その後、ずっと同じ先生にみていただいて現在はルボックス錠25を食後に一回ずつ。後は不安時にセパゾン錠2を頓服と言う形で20回分(10日分です)、眠るときにロヒプノール錠2を1錠飲んでおります。

薬も減ったし、自分でも家事ができるようになってきたり、今自分が何をしているのかわからないというようなことがなくなってきたりして少しはよくなってきているんだなとは思います。
ただメモをしていてもそのことすら覚えていないと言う状態はまだまだありますが。
あと好調、不調の波が激しくなっております。
好調なときは何ともなかったときのように出きるのですが、不調となるとひどく落ちこんで涙ぐんだり感情的になってしまって攻撃的になったり、どうしようもなくいらいらしています。

ただ自分のなかではぼちぼちあせらず治していこうと思っているのですが、実家の両親が早く治せだの色々と口を出してきていらいらしてしまいます。
おまけにたまたま車で事故を起こしてしまったときがあって、それからは「病気が治るまで車に乗ってはいけない」など勝手に行動制限をします。
主人は私の病気の事を知っているのに育児や家事に参加してくれません。(昔私が足を捻挫したときも犬の散歩すら行ってくれない人でした)
多分仕事に行ったりしているのだからとか思って病気に対しての理解がないのだと思います。
あと主人のお母さんがつい最近ですが統合失調症ということを知り(精神的な病気であることは言動でわかっていましたがおしえてもらえませんでした)、最近は姑の妄想や買い物依存症のような行動が目に付き、私がつらいときでも自分の都合で電話をかけてきて隣の住人が水道管にごみを入れるとか家の中の会話を盗み聞きするとか訴えてくるわけです。
主人の両親には昔色々いじめられたりありもしないうわさを立てられたりしたので病気の事を知られると変に騒ぎ立てられるのは目に見えていますし(自分たちのことを棚に上げて)、病気のことは伏せております。

身内のものがこんな感じなのでそっと見守ってほしいと言う私の気持ちなんてどこかにいってしまいます。
何も助けてくれない主人に対してはそばにいるだけでいらいらします。
自分が仕事にいくときがほっとします。
主治医の先生にも相談しました。
特に実家の親のことに関しては血のつながりがあるから余計に心配していってくれている言葉なんだけど当人にとっては辛いよね。
変な遠慮がないから余計きつい言葉になるからね。
とおっしゃってくださり実家とは少し距離を置くように言われました。
ただ主人のことや舅姑のことは私がかなり嫌悪感を持ってしまっているのでそれは驚いていたようですが具体的には何も言葉はなかったです。

主人が仕事が休みで家にいるだけで私は調子が悪くなりいらいらしたり感情的になってしまいます。
こんな調子ですので一番落ちつきたい場所であるはずの家が一番私にとっては苦痛なのです。
そっと見守ってほしいこと、辛いときは何気なく手をかしてほしいこと、なんぼいっても自分の両親や主人には理解してもらえません。
最近ではどう言えばいいのかわからなくなってしまいました。
どう言えば周りに理解してもらえるのでしょうか? 


: 現在、あなたのうつ病は回復期にあると思います。このままいけば、近い将来に必ず治るでしょう。今のあなたに最も大切なことは、治るという確信を持ち、あせらず今の治療を続けることです。

もっとも、そんなことはあなたは百も承知かもしれません。それなのに、ご家族の理解が得られなくて困っておられる。そのことは、

ただ自分のなかではぼちぼちあせらず治していこうと思っているのですが、実家の両親が早く治せだの色々と口を出してきていらいらしてしまいます。

という一文などから読み取れます。
 
似たようなケースはよくあります。うつ病の相談室のp.175から、さらにp.178からにもお書きしたように、ご家族のほうも決して悪気はないのだと思います。

あなたの主治医の先生のこの言葉の通りだと思います。

特に実家の親のことに関しては血のつながりがあるから余計に心配していってくれている言葉なんだけど当人にとっては辛いよね。
変な遠慮がないから余計きつい言葉になるからね。
とおっしゃってくださり実家とは少し距離を置くように言われました。


そうです、こういう場合は距離を置くのが一番です。

もちろん、ご家族がうつ病をよく理解され、最善の接し方をしていただくのが理想であることは言うまでもありません。けれども、理想と現実の間にギャップがあるのは世の常ですから、理想と違うことを嘆き続けるよりも、現状で回復のためにできる最善のことを目指すべきでしょう。ですから、

そっと見守ってほしいこと、辛いときは何気なく手をかしてほしいこと、なんぼいっても自分の両親や主人には理解してもらえません。
最近ではどう言えばいいのかわからなくなってしまいました。
どう言えば周りに理解してもらえるのでしょうか? 


上のように考えて悩みを深めるよりも、適当に距離をおいて、主治医の先生とともに治癒を目指していくべきだと思います。

このようなアドバイスを私がする大きな理由は、すでにあなたの病状は回復に向かっているということです。ご家族の適切な協力があれば、回復は早まるとは思いますが、仮にそれが得られなくても、あなたのうつ病は十分治ると思います。あせらず治療を続けてください。

その後の経過(2004.10.5.)


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