精神科Q&A
【0560】うつ病と診断されている義母の凶暴性
Q:
私は31歳の主婦です。同居中の義母67歳が3年前からうつ病と診断されました。現在、私に対する攻撃性・凶暴性というのでしょうか、とにかく毎日すごくて、私のほうがおかしくなりかけているのを実感しています。義母の声を聞くだけで、心臓がドキドキし、何か言われるとパニックになって過呼吸なんでしょうか、手足がしびれてきたりします。でも子どもが二人いますので、毎日どうにか平静を保ちがんばっています。
以前から義母とは折り合いが悪かったのですが、もめて家をみんなで出たのです。それから数ヶ月後義母は発症しました。
はじめは幽霊がいるといって、私たちもそれを信じ、霊能者だの、そう言う関係のところに色々見てもらったりもしました。
でもぜんぜん変わらず、眠れないと言うこともあって、心療内科に通い始めました。
そこでうつ病と言われ薬を飲み始めることになったのです。
でも義母の幻覚、幻聴はひどく、部屋に3日間こもり、全裸で正座をし、食事もほとんどせず、謝ると言うか、祈ると言うか、そう言う行動をとっていたりしました。
普段でも、独り言なのですが、幻覚の相手に話し掛けていたり、玄関を出たり入ったり、かと思うと何もせず一日中ぼーっとしていたりしています。
そのころは、気力がない、眠れない、幻覚・幻聴、自分を責めると言うような症状だったのですが、年月をかさねるごとに色々と変化し、今はまた同居しているんですが、毎日私への攻撃がすごくてとても悩んでいます。今の状態でも診断はうつ病ということなんですが。
現在の症状は、相変わらずなのですが、以前と違うのは、自分を責めていたのがなくなり私を攻撃してくること。暴力も振るわれました。
幻覚・幻聴にたいしても、「すいません、お許しください」と謝っていたのに、今はケンカ腰に反論した独り言になっているのです。
私に対しても同じで、「おまえなんか嫁でもなんでもない、出て行け」「おまえは疫病神だ」といってそれを歌にしてずっと歌っていたり、夜中に寝室に来て覗いていたり、虫がいると言い、家中殺虫剤をまいたりと気味の悪い行動ばかりされて、今義母のことが怖くてなりません。
一日中一階から聞こえてくるケンカ腰の独り言に悩まされています。なるべく避けているのですが、ちょっと顔を合わせた瞬間から、攻撃が始まるのです。おびえる私を見て「そんなに私を怖がりやがって」とよけいに責め立ててきます。
義母の病気はうつ病なんでしょうか。もっとちがう病気ではないかと思っているのですが。
あと、私の精神状態が普通でいられなくなりそうで、子ども達の影響も考えるとどうしていいのかわかりません。
林: これは、うつ病ではありません。病名として考えられるのは、ひとつは精神分裂病(統合失調症)です。しかし、67歳という年齢で初発することは稀なので、他の病気、具体的には、脳の変性疾患などの可能性も考えるべきです。その診断の第一歩は、CTやMRIということになります。
このお義母様がうつ病でないことはあまりに明らかなので、あえて理由の解説はいたしません。うつ病や精神分裂病(統合失調症)のページ、またそれぞれについての精神科Q&Aの内容をご参照ください。
なお、主治医の先生が本当にうつ病と診断しているとは到底思えません。何か理由があって、あなたにはうつ病という診断名を告げているだけでしょう。うつ病としての治療をしているはずはないと思います。もっとも、今の症状は入院治療の適応のように私には思えますが。