精神科Q&A

【0538】幻聴治療と糖尿病(【0531】)のその後


Q 【0531】の回答ありがとうございました。主人はその後、糖尿病の検査を受けた結果、糖尿病と高脂血症と診断されました。その結果を精神科の先生にお話したのですが、薬も対応も何も変わらず、勝手に薬を止めてしまいました。その1週間後、パニック発作のような動悸、気が遠くなるなどの症状があらわれはじめました。
 そして糖尿病のかかりつけのお医者さん(内科、心療内科、精神科の学会みたいなものに所属)に相談し、糖尿の治療と一緒に精神科の治療も受けています。
 先生の勧めで1ヶ月ほど休職し、復帰後2日目にまたパニック発作がおき、うつ症状も出てしまい、1ヶ月前からまた休職中です。
薬は
朝食前 スターシス(糖尿) 朝食後 ベザトール(高脂血症) レキソタン10r
昼食後 レキソタン10mg
夕食前 スターシス(糖尿) 夕食後 ベザトール(高脂血症) レキソタン10mg パキシル20r(11/18〜2週間は半分量 12/2〜増量)
就寝前 リントン30mg アキネトン1錠

 薬のせいか、昼間も寝ていることが多くなりました。
 気分の良い日は買いものに行ったり、家のことを手伝ってくれますが、この日はここへ行かなきゃと予定が入り、抗不安剤を1回抜くのでパニック発作(動悸や焦燥感)がおこり、つらそうです。
 本人も薬を飲んでいるのに発作が起きるので「薬、効いているのかな?」と言うあります。
 私も主人を見ていると、このまま治らないのでは、今の先生で本当にいいのか(本人は信頼しているようです)など、不安でたまらなくなります。
 幻聴の方は、良くなってきているようですが、やる気がでない、落ち込むなどうつの症状がひどいようです。
 このままの治療で大丈夫でしょうか。

: 【0531】で解説いたしましたとおり、糖尿病の方がジプレキサ(オランザピン)とセロクエル(クエチアピン)などの非定型抗精神病薬を飲むと、重大な副作用の危険がありますので、糖尿病と診断がついたら、これらの薬を処方することは原則として禁じられています。リスパダールは、禁じられてはいませんが、同じような危険の可能性は否定できないところです。ですから、糖尿病の方にリスパダールを処方してよいかどうかは、現在のところは医師の判断ということになります。

 あなたのご主人は、【0531】のメールによると、リスパダールを処方されていたとのことですので、糖尿病と診断がついた後に薬が変わらなかったというのは、よいともわるいともいえないところです。ただし、勝手に薬をやめてしまったのは非常に危険なことでした。【0531】で回答したように、診断は精神分裂病(統合失調症)だと思われますので、自己判断による薬の中断は、治療全体を台無しにしてしまう可能性があったと思います。

 もっとも、比較的すぐに別の医師に相談し、薬物治療を再開されたため、症状の大きな悪化の前にくいとめられて、この点は良かったと思います。

 そして今回のご質問の、このままの治療で大丈夫かということですが、これについては何ともいえません。ただひとついえることは、すでに一度、たいした理由もなく主治医を変えておられますので、この調子で主治医を変えることを繰り返すのは、決してよい結果には結びつかないことは予想できます。ですから、しばらくはこの先生の治療を続けることをおすすめします。今の処方についても、特に問題が指摘できるような内容ではないと思います(もっとも、私ならここでパキシルは処方しませんが)。


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