精神科Q&A

【0064】 父が音に過敏になっています。本人がカウンセリングに行かず、薬などで治す方法はありませんか


Q: 56歳の父が、何年か前から飛行機や自動車の音に過敏になっています。自分を威嚇するための音だと信じているようで、役所や警察によく電話をしたりしています。おそらく父はこころの病気だと思うのですが、本人は病気だということをすごく拒絶しています。家族としては心配です。本人がカウンセリングに行かず、薬などで治す方法はないでしょうか。

林: ご本人に病気という意識がないために、ご家族だけが受診されることは精神科ではよくあることです。ただし、本人を診察せずに治療をすることは法律で禁止されています。したがって厳密には薬をもらうことは出来ないということになりますが、実際にはケースバイケースです。つまり家族の話を聞いて薬を出すこともありうるということです。本人に病気という意識がなければ薬を出してもらっても飲まないだろうとお考えになるかもしれませんが、たとえば眠れないというような症状でもあれば、不眠の解消と同時に過敏さも治療する薬(お父様の場合は単なる過敏ではすまされず、被害妄想の範囲に入ると思いますので、妄想をとる薬、すなわち抗精神病薬ということになります)を処方することによって治療が可能になることが現実には多いものです。

その後の経過   
 

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