精神科Q&A

【0064】 父が音に過敏になっています。本人がカウンセリングに行かず、薬などで治す方法はありませんか


(その後何ヶ月かして頂いた追加質問です)

Q: 精神科Q&Aで 教えて頂いたように、私も投薬治療でやって行きたいと思ったのですが、先日、保健所で精神科医の先生とお話をした結果、入院という手段が一番良いのではという回答でした。それも自分がそういう病気だと自覚がないので本人に知らせずに入院させるような状態でとのことでした。
 確かに入院してしまえば集中して治療できると思いますが、本人は症状があまりない状態の時もあり、もしその時に連れて行かれたらそれこそ何も信じられなくなって正気でいられなくなるのではと不安です。
 こういうやり方が一般的なのでしょうか。本人に知られずこっそり投薬治療と言う方法はやはり無理なのでしょうか。

: 本人に病気という自覚がない(またはないように見える)場合の投薬は、不眠など他の症状への対策という形でなされるのがまあ相場でしょう。それも厳密には問題がありますが、現実的には許容範囲だと思います。
 この方法がうまくいかない場合で、かつ薬物療法の効果がかなり期待できる場合どうするかは、誰もが悩むところです。ご指摘の「本人に知らせない形での投薬」というのは、例外的に行われることもありますが、おすすめできる方法ではありません。
 もうひとつの方法が入院です。これもご心配されているように「それこそ何も信じられなくなって・・」ということは、考えられないでもありませんが、そういうことがあったとしても、多くは一時的なものです。症状が良くなれば、ふりかえって納得できる方が多いでしょう。特に、地元の保健所の先生が入院をすすめられているのであれば、そうするべきだと思います。地域によっては、入院した方がいいと思われても、なかなか手続きが難しいこともあるようですから、それを考えれば幸運なことです。
 もちろん入院が絶対にいいとは限りません。けれども、ご本人に病気だという自覚を持たせることがどうしてもできない場合、なんの軋轢もなくうまく治療する方法は存在しません。現実をよく見据えて、できる範囲での最善の方法をとることが、結局は本人のためになるでしょう。

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