精神科Q&A
【0382】音に過敏になっている父【0064】、【0329】のその後: 布団に寝ようとしない
Q: 【0329】で父が入院したことをお伝えしましたが、その後父はもう一度外泊許可を受け、1週間ほど帰宅しました。この時は特に何事もなく過ごしたのですが、ただ2階の部屋に布団を敷いておいてもそこで寝たのは一日だけで、あとの日は1階のリビングで寝ている状態でした。日中の行動は午前中から外出して図書館で夕方まで本を読んで過ごし夜に帰宅という(入院する前から同じ行動)1週間を送ってまた病院に戻りました。父の症状もこれ以上の悪化も無いという事で来月には退院になるだろうということです。
ただ不思議なのは、なぜ父は布団で寝ないのだろうと言う事です。父を病院に連れて行った人達がまた来るのではと警戒しているのでしょうか? 父ももう高齢ですので私達としてはあたたかい布団でゆっくり眠って欲しいと思うのですが、あまり強制してもまた怒ってしまいそうで言えない状況です。やはり病気と何か関係があるのでしょうか。
林: これまでの経過から考えても、お父様にはまだ妄想が残っていると考えられます。そういう場合、妄想に基づいて、周囲の人には理解できない行動を取ることがあります。「布団に寝ようとしない」というのも、おそらくそういう背景があるのでしょう。2階の部屋に何か危険があると感じておられる可能性はかなりあると思います。
ただし、今はそれを追求してもあまり意味がないでしょう。一般的にも、こうした行動が実は妄想に基づくものであるのがわかるのはずっと後になってからの方が多いものです。「妄想がある可能性は強い」ということを頭におきつつ、慎重に様子を見られるのがいいと思います。