精神科Q&A

【0308】無断でシアナマイドを投与された


Q:  29歳女です。以前入院期間中に無断でシアナマイドを投与され、それと知らずに飲酒をして呼吸困難に陥ったことがあります。本人、もしくは、家族の了解を得ずにシアナマイドを投与することは医療行為において、許されることなのでしょうか?入院期間中に無断でアルコールを飲んだ事はいけないことだと思いますが、医者の立場として勝手に判断してよいことなのでしょうか?
 それ以来医者を信じる事ができません。出来ればこういった場合相手の医師に対してどう考えれば良いのか教えて頂きたく思います。



: 「本人の了解を得ずにシアナマイドを投与する」ことは、医療行為としては説明義務違反です。一方、入院中に飲酒したというあなたの行為は、入院患者としては約束違反でしょう。というわけで、どっちもどっちとも言えますが、どちらのほうが悪いかといえば、それはプロである医師のほうが悪いでしょう。法律的にはそうなると思います。
 もっとも、細かい事情がわかりませんので、実際にあなたの状況を知っている方がどう判断されるかはわかりません。これは想像にすぎませんが、あなたがきわめて問題の大きいアルコール依存症患者で、飲酒を止めなければきわめて重大なことになる(たとえばあなた自身の命にかかわるとか、周囲の人の命にかかわるなど)と判断されていたのかもしれません。「家族の了解を得ずにシアナマイドを投与した」とも書かれていますが、ご家族は了解していた可能性もあります。(だとしても、本人に無断でまでシアナマイドを投与しなければならないほどの状況でしたら、ご家族があなたに「私たちは了解していました」と言うとは思えませんので、「家族も了解していなかった」というのはあなただけがそう思っているのかもしれません)
 というようなことはすべて想像ですので、あなたにあてはまるかどうかは全くわかりません。ただ往々にしてそういうケースはあるということです。あなたのように、20歳代の女性のアルコール依存症で、しかも入院中にも飲酒してしまう、という患者さんは、色々な面できわめて重症あることが多く、教科書通りの治療では到底役に立たないことが多いので、あえて上のように回答いたしました。
 それから、あなたは「それ以来医者を信じることができない」ということですが、これは明らかに矛盾です。「その医者を信じることができない」というのならわかりますが。
 もう一度冷静にご自分の問題を見つめ直し、治療をやり直すべきだと思います。

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