精神科Q&A

【0146】シアナマイドを飲んでアルコールを飲むとどうなるのですか


Q: 63歳の父親が、アルコール依存症であるためシアナマイドを飲むことにしました。しかしやはり飲酒欲求が強いようです。シアナマイドを飲んでなお、アルコールを飲むと、どうなるのでしょうか。主治医の先生から、「苦しくなる」「ひどい思いをする」と言うことは教えていただいたのですが、それ以上突っ込んだ質問はできませんでした。



: 人間がアルコールを飲むと、体内でアセトアルデヒドに分解されます。このアセトアルデヒドを分解する酵素の働きを、シアナマイドは妨害します。このため、シアナマイドを飲んでいる人がアルコールを飲むと、血中のアセトアルデヒド濃度が上がり、いろいろな症状が出てきます。具体的には、
・顔が真赤になる
・動悸がする
・頭痛がする
・吐き気がする、時には吐く。
・汗が出る
・息が苦しくなる
・めまいがする
などです。場合によっては命に関わることもあります。ですから、シアナマイドを飲んだら、絶対にアルコールを飲んではいけません。なお、ノックビンという薬も、シアナマイドと同じ作用を持っています。
 ところでこれは、いわゆるお酒に弱い体質の人がお酒を飲んだ時に出る反応と同じです。シアナマイドやノックビンは、いわば一時的にお酒に弱い体質に変える薬と言えます。この体質についてはアルコール依存症の医学部講堂も参照してください。



精神科Q&Aに戻る

ホームページに戻る